今回、新潟県内の多くの企業が2004年10月に発生した中越地震の教訓を生かしている。長岡市に本社を置く計器メーカー大手の日本精機がその1社。同社は04年の中越地震で、工場内に設置していた基幹システムのサーバーが大きく移動し、ハード・ディスクは転倒してしまった。
実は同社のシステム子会社であるNS・コンピュータサービスが04年9月に免震構造のデータセンターを竣工(写真)。04年末にシステムを移管する予定だったが、10月末に中越地震で被害を受けてしまったという苦い経験を持つ。当時は子会社の生産設備が被害を受けて、メーターの製造が停止。2輪車メーカーの製造ラインを止めてしまった。
そこで、本社だけでなく子会社のシステムもデータセンターに収容することにした。05年の正月に主要サーバーを移し、その後段階的にサーバーを移してきた。このため「情報システムの被害は皆無で、無停止だった」(日本精機)という。センターのある長岡市街は今回の地震で震度5強の揺れに見舞われている。
◆「中越沖地震」特集はこちら