写真1●ソフィアホールディングスの飯田裕樹代表取締役社長
写真1●ソフィアホールディングスの飯田裕樹代表取締役社長
 ソフィアモバイルは「ワイヤレスジャパン2007」の会場で,スマートフォン「nani」(ナニ)を一般向けに公開した。無線LANやPHS通信機能のほか,ワンセグ・チューナーも内蔵するなど,てんこ盛りのスマートフォンとなっている(関連記事

 naniを開発した狙いなどについて,ソフィア・グループを取りまとめるソフィアホールディングスの飯田裕樹代表取締役社長(写真1)に話を聞いた。


naniを開発した狙いは。

 nani(写真2)は,自社で映像配信したいコンテンツ・プロバイダ向けに,コンテンツの配信先の端末として開発した。コンテンツ・プロバイダ向けにOEM出荷することを検討している。

写真2●ソフィアモバイルの「nani」
写真2●ソフィアモバイルの「nani」
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 ソフィア・グループは,持ち株会社のソフィアホールディングスの傘下に,組み込み機器を開発するソフィアシステムズ,ネット関連のSIerであるソフィア総合研究所,モバイル上でのビジネス・プランニングをするソフィアモバイルなどを擁する。この中のソフィア総合研究所はコンテンツ配信のプラットフォームを開発することが多く,コンテンツ・プロバイダが自らブロードバンド上で映像コンテンツを配信したいというニーズを感じていた。

 一方で映像コンテンツを再生する端末を見ると,ゲーム機やPDAなど汎用端末は増えてきたが,映像視聴に特化した端末は日本にはほとんど存在していない。例えば韓国でポータブル・メディア・プレーヤーという製品ジャンルが成立しているのとは対照的だ。

 ソフィア・グループは,グループ内にソフィアシステムズとソフィアモバイルという機器開発が可能な会社を持つ。グループ全体として映像配信ビジネスに対するビジネス・チャンスが見えてきたので,これらの会社を使って端末の開発を進めることにした。ポータブル・メディア・プレーヤー関連のノウハウを持つ韓国メーカーとも共同で開発したため,開発期間は約4カ月程度で済んだ。開発コストも通常の端末開発の1/3~1/5程度に抑えられている。

ソフィアモバイルが一般ユーザーに販売するという形は取らないのか。

 あくまでコンテンツ・プロバイダなどのビジネス・パートナーを経由してnaniを販売する計画だ。ソフィアモバイルは裏方としての存在になる。パートナーを経由した出荷は2008年春ころになると考えている。

どんなパートナーと話し合いを進めているのか。

 もちろんコンテンツ・プロバイダと話し合いを進めている。このほかいくつかの会社からnaniを「電子POP」に使いたいという引き合いをもらっている。店頭などでCMを流す端末としての用途だ。この用途は開発当初には想定していなかったが,naniは様々な通信手段を持つため,店頭で流すCMの内容をリモートで変更できる。確かにメリットは大きい。電子POPとしての用途に対しても期待を膨らませているところだ。