2007年7月20日まで東京ビッグサイトで開催されている「ワイヤレスジャパン2007」では、携帯電話や無線関連の進歩を感じさせる製品が数多くの展示されている。注目の製品を紹介しよう。
パソコンの通信機能といえば、有線LAN、無線LAN、Bluetoothなどがある。それらに加えて、今後は携帯電話の通信機能を備えたパソコンが一般化するかもしれない。KDDIのブースでは、7月10日にKDDIとレノボ・ジャパンが発表したCDMA 1X WINの通信機能を持ったノートパソコン「ThinkPad X61」を展示している。CDMA 1X WINの通信モジュールは、パームレスト部分に内蔵。モジュールのサイズは幅が約5cm。隣りに配置されている無線LANモジュールとほぼ同じ大きさだ。
NTTドコモのブースでは、FOMAの通信機能を搭載した富士通製ノートパソコンを展示している。バッテリーを取り外すと、中にFOMAカードを内蔵できるようになっている。FOMAの通信機能とパソコンはPCI Expressで接続しているという。その横には、NTTドコモとしては初めてとなるUSB接続型のFOMA端末を展示。このUSB端末は2007年秋の発売を予定している。
出た! FOMA内蔵ヘルメット
会場では携帯電話の最新モデルも数多く展示されている。NECのブースでは、デザイン性を重視した将来のコンセプトモデルを展示している。革、和紙、フェルトなどの素材で着せ替えできる「ekaf」、着脱式のカメラを搭載してブログなどにアップロードできる子供向けの情報端末「Mobile Kid's Lab」など見た目にも楽しいモデルがそろう。
ユニークな製品といえば、NTTドコモのブースで谷沢製作所がヘルメット型端末を展示している。FOMAの通信機能、GPS機能、カメラやセンサーを内蔵しており、災害などの危険な業務や警備業務で、指令拠点との通信や情報伝達に利用する。試作品の重量は約1kgだが、実際の製品では600~700g程度になるという。2008年の製品化を目指す。
携帯電話の使い勝手を高めるための周辺技術も進歩している。東芝のブースでは、燃料電池を使った携帯機器用充電器の試作品を展示。充電器の上部から燃料のメタノールを注入する。発電時に発生する水蒸気は、前面の網目から放出される。実際に、係員が持っている試作機の排出部を手で触れてみると、生暖かい蒸気が出てくる様子を実感できる。1年後の製品化を目指すという。将来は外付け型ではなく、携帯電話に着脱できる燃料電池を開発していく。
ケータイで番組を録画
クアルコムのブースでは、携帯電話向けの多チャンネル放送「MediaFLO」をデモ実演している。MediaFLOは、6MHzの帯域幅を使い、平均6Mbpsのスループットを利用して動画を配信するサービス。テレビ放送で20チャンネルや音楽放送10チャンネルを同時に配信できるという。ニュースやドラマなどを携帯電話にダウンロードして、好きな時間に観賞できる蓄積型クリップキャスト機能も実現する。国内でサービスを開始するには、電波に関する法律の改変が必要となるが、一部の携帯電話会社と2009年のサービス開始に向けて動き始めているという。
そのほかの通信規格では、YOZANがモバイルWiMAX(IEEE802.16e)対応のUSB接続デバイスを参考出品している。総務省が免許を交付する2007年秋に製品を投入するという。
![]() クアルコムがデモ実演している多チャンネル放送「MediaFLO」 |
![]() YOZANが展示しているモバイルWiMAX対応のUSB接続デバイス |