写真●指の影を検知して入力を読み取る携帯電話向けのタッチパネル液晶ディスプレイ
写真●指の影を検知して入力を読み取る携帯電話向けのタッチパネル液晶ディスプレイ
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 東芝松下ディスプレイテクノロジーは,東京ビッグサイトで開催中の「ワイヤレスジャパン2007」の東芝ブースにおいて,指の影を検知して入力を読み取る携帯電話向けのタッチパネル液晶ディスプレイを参考展示した(写真)。感圧センサーを利用する一般的なタッチパネル液晶に比べ,部品サイズを小型・薄型化できるうえ,表示のコントラストや明るさを改善できるという。

 このディスプレイは,液晶ディスプレイのパネル内部に光センサーやその読み取り回路を搭載する。光センサーが指の影を検知し,どの場所を触っているのかを読み取る。ディスプレイの画素が光センサーとなるため,読み取り誤差も少ないという。なお,この液晶ディスプレイは,ガラス基盤上に電子回路を集積する「SOG(system on glass)」技術を利用して作られている。

 感圧式タッチパネルに対応した液晶ディスプレイは,通常の液晶ディスプレイの上に透明のタッチパネルを張り付ける構成を採っているものが多い。しかしこの方式では,二つの部品を使うため薄型化が難しい。また,タッチパネルは完全に透明ではないため,表示のコントラストなどに悪影響が出ることがあった。出展された新しいタッチパネル液晶ディスプレイでは,こうした問題を解決できるとしている。

 液晶ディスプレイの前に防護用のガラスや樹脂パネルを置いても正常に使える点も特徴だ。実際,展示された液晶ディスプレイは,数ミリの樹脂パネルがディスプレイの上に置かれていたが,タッチパネルとして問題なく利用できた。

 商用化の時期は未定。価格は「現行のタッチパネル液晶ディスプレイよりも若干高くなると思う」(説明員)という。