日本のインターネットユーザーの4分の1が携帯電話からアクセスしているという
日本のインターネットユーザーの4分の1が携帯電話からアクセスしているという
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携帯電話の検索キーワードはバラエティーに富んでおり、ロングテール型となっている
携帯電話の検索キーワードはバラエティーに富んでおり、ロングテール型となっている
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米国の検索サービス。「pizza」と検索した際には自動的にユーザーの現在位置に近い場所の情報を表示する
米国の検索サービス。「pizza」と検索した際には自動的にユーザーの現在位置に近い場所の情報を表示する
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 「グーグルは日本発の新しいサービスを開発し、世界に発信していく」。20日まで東京ビッグサイトで開催されている「ワイヤレスジャパン2007」で2007年7月19日、米グーグル ストラテジック・パートナー・デベロップメント・マネージャーのジョン・ラーゲリン氏が講演し、グーグルの携帯機器向けサービスの展望を語った。

 グーグルは米国の企業だが、現在は多くの国でサービスを展開している。同社では、それぞれの地域の特性に合わせたサービスを提供するように取り組んでいるという。日本の特徴は、携帯電話でインターネットに接続するユーザーが多いこと。日本のインターネット利用者8500万人の中で、4分の1近い1900万人が携帯電話で接続しているという統計結果を紹介し、いまや「モバイルでサービスを提供しないとユーザーは満足しない」(ラーゲリン氏)と携帯電話向けサービスの重要性を強調した。

 携帯電話向けのサービスはどう使われているのか。検索サービスで入力されたキーワード(クエリ)を分析すると、一部のキーワードに集中することはなく、幅広い言葉で検索されているという。よく検索されているキーワードを順に並べてグラフにしてみると、いわゆるロングテール型になる。この傾向はパソコン向けの検索サービスと同じだという。「入力の手間があるため、単純な単語に集中するかと思われていたが、そうではなかった。トップ100のクエリは全クエリの12%に過ぎない」(ラーゲリン氏)。

 携帯電話の検索サービスでは、世の中の動きが即座に検索キーワードに現れる。例えば、あるテレビドラマで、主題歌がダウンロードできるという告知があった瞬間、携帯電話からの入力が急激に増えたという。「携帯を握りながらテレビを見ている人が多いことが分かる」とラーゲリン氏。こうした利用実態から、広告主もモバイル広告を重要視しているという。

 検索結果に現れる広告は、グーグルの大きな収入源となっている。同社では、検索結果の表示を最優先するものの、広告もユーザーにとって有益な情報になり得ると考えているという。検索キーワードの内容に関連性が高い商品やサービスの広告であれば、ユーザーの役に立つ可能性があるからだ。広告用サイトを用意していない個人商店などの広告主に向けては、ユーザーがクリックをすると電話がかかる「Click-to-call」という携帯電話向けのメニューも用意している。

 米国では、検索キーワードに「ピザ」と入力するとユーザーがいる場所に近いピザのレストランを自動的に表示している。地域を自動で絞り込むことで、より少ないクリック数で目的の情報にたどり着けるようにするためだ。ラーゲリン氏は「1ミリ秒でも早く結果を返せるように、バックエンドのサービスも構築していく」とさらなる改善への意欲を見せた。「Gmail」や「Googleマップ」でも、ユーザーが快適に利用できるように改善を続けるという。「日本で携帯向けの新サービスを作り、世界に発信していきたい。新たな収入モデルになるものを作っていきたい」と語り、講演を締めくくった。