写真1●キングソフトの沈 海寅取締役
写真1●キングソフトの沈 海寅取締役
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写真2●Kingsoft Internet Security freeのポップアップ画面
写真2●Kingsoft Internet Security freeのポップアップ画面
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 キングソフトは,無償のウイルス対策ソフト「Kingsoft Internet Security free」の提供を,7月19日に開始した。同社のWebサイトからダウンロードできる。ネット広告大手であるオーバーチュアやリンクシェアと提携し,画面上に広告を表示させるモデルを採用。ユーザーは初期費用やライセンス更新料を支払わなくても,有償版と同じ機能を利用できる。

 沈 海寅取締役は,「パーソナル・ファイアウォール機能や,スパイウエア対策機能なども備えている製品で無償なのは,当社製品だけ。高い品質の製品を,利用しやすい戦略的な価格で提供することを追究した結果だ」と,自信をみせる(写真1)。これまでキングソフトは,1年間のライセンス付き製品を980円で販売していた。

 広告を表示するのは,管理画面と,定義ファイルを更新した際に表示されるポップアップ・ウインドウなどである(写真2)。ユーザーは導入時に,住んでいる地域や,年齢などの属性情報を登録する必要がある。

 エキサイト,GMOメディア,楽天などと提携し,各社のWebサイトからOEM版の配布も予定する。「当社としても広告事業という新しいビジネスに乗り出すことになる。その意味ではどの程度ユーザーに受け入れられるかが不透明だが,将来的には数百億円規模のビジネスには育てていきたい」(沈取締役)。

 また,同じ7月19日に統合オフィス・ソフト「Kingsoft Office 2007」の新バージョンの提供も開始した。WindowsVistaでの動作テストに合格し「Certified for Windows Vista」のロゴを取得したほか,Visual Basicなどを使って独自の機能を備えるプラグインを組み込むことが可能になった。また,VBAを使ったマクロ機能対応版の提供も開始した。価格は,通常版が4980円,VBAマクロ対応版が5480円。ただし,8月1日から9月30日までキャンペーンを実施し,通常版を3980円で販売する。