写真●「誰でも割」を発表するKDDIの高橋誠・取締役執行役員常務兼コンシューマ事業統括本部長
写真●「誰でも割」を発表するKDDIの高橋誠・取締役執行役員常務兼コンシューマ事業統括本部長
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 KDDIと沖縄セルラーは7月19日,au携帯電話の月額基本使用料を利用年数にかかわらず半額にする新サービス「誰でも割」を導入すると発表した。9月1日から提供を開始する。これに先立ち,7月20日から新規契約と機種変更のユーザーを対象に先行受け付けを始める。

 誰でも割は,「CDMA 1X WIN」の基本使用料を,契約した月からすべてのプランで一律半額にする割引サービス。「CDMA 1X」の場合は,「年割」と「家族割(法人割)」の基本使用料の最大割引を適用する。

 ただし,誰でも割を適用するには,2年単位の継続契約が条件となる。また,誰でも割の契約期間中に解約した場合には,契約解除料として一律9975円が発生する。

 例えばCDMA 1X WINのプランSSで,誰でも割を適用した場合,通常の基本使用料3780円が半額の1890円になる。これまでの2年継続利用時の割引サービス「MY割(法人MY割)」の利用1年目の基本使用料は,最大値下げ幅510円を適用すると3290円であり,誰でも割を適用する方がはるかに安く済む。

 基本使用料が半額になることによって,一つ上のプランも選びやすくなる。例えばプランSSからプランSに移行する場合,従来は1155円が上乗せされたが,誰でも割を適用すると577円の上乗せに抑えられる。また,基本使用料に含まれる無料通話分はこれまでと変わらず,プランSSが毎月1050円でプラン Sが毎月2100円。プランSSからプランSに移行した場合には,無料通話分の差額が基本使用料の差額を上回る。

 誰でも割の導入後は,現在サービス提供中のMY割(法人MY割)は廃止となり,MY割(法人MY割)のユーザーは自動的に誰でも割が適用される。MY割(法人MY割)を利用していないユーザーは,2年単位の継続契約を申し込むことによって適用される。7月20日からの先行受け付けに加え,8月13日からはMY割(法人MY割)の未契約ユーザーを対象に,EZweb上からの受け付けを開始する。

 誰でも割の導入により,KDDIは今期200億円の減収を見込む。にもかかわらず,大幅な基本料金の値下げに踏み切った理由を,KDDIの高橋誠・取締役執行役員常務兼コンシューマ事業統括本部長は「下火になってきた番号ポータビリティ(MNP)にもう一度火を付けるため」と説明する。

 また高橋取締役は,「今回の料金値下げを皮切りに,年末にかけていろいろなサービスを用意している」と,この下半期に新サービスを次々に投入していくことも明らかにした。

ソフトバンクモバイルは「新・自分割引」で対抗

 一方,ソフトバンクモバイルは,KDDIの誰でも割の発表を受けてau対抗の「オレンジプラン」に新サービス「新・自分割引」を追加すると発表した。新・自分割引は,auの誰でも割と同様,利用年数にかかわらず2年単位の契約を条件に基本使用料を47~52%割り引く。既に「自分割引」を利用中のユーザーは,自動的に新・自分割引に移行する。

 KDDIはソフトバンクモバイルの対抗措置は想定済みで,発表会の席上で高橋取締役は「オレンジプランのユーザーはさほど多くないとみており,(対抗措置が出されても)個別に対策をする必要はないと思う」と述べていた。

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