日本IBMが、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づく業務システムの構築を支援するミドルウエア「WebSphere Business Services Fabric V6.0.2(以下、WBSF)」の日本語版を7月20日から出荷すると発表した。この製品は、昨年8月に米IBMが買収した旧ウェビファイ・ソリューションズの製品を改良したものだ。

 WBSFの最低価格は3567万9000円と安くはない。「大手ユーザーがSOAベースのシステムを本格的に構築する際に活用してもらうためのミドルウエア」(IBMの山下晶夫WebSphere事業部長)である。「年内に数件、導入事例を発表したい」(同)とする。

 WBSFの目玉は、「ビジネス・サービス」と呼ぶ新たな概念を導入し、「サービス」の設計作業負担を軽減することだ。ビジネス・サービスはユーザー企業が業務用語に近い表現を使ってサービスを定義したもので、例として「口座の開設」「クレジットのチェック」などがあるという。IBMはビジネス・サービスのテンプレート集「Industry Content Pack」を銀行と保険、医療保険、通信といった4分野について用意した。料金はWBSFとは別途かかり4290万円である。

 さらにWSBFは「SOAガバナンス」という機能を備える。「ビジネス・サービス」の変更管理やサービスの利用状況を管理する。サービスの利用度合いを定量的に把握できるため、利用部門から徴収するシステム利用料金の算出に役立てることが可能である。