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 セールスフォース・ドットコムは7月18日、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として提供しているCRMソフトの新版「Salesforce Summer'07」を発表した。8月1日から提供する。23回目のバージョンアップとなる今回のバージョンの目玉は、ユーザーが自由にアプリケーションを開発できるようになること。「セールスフォースは、SaaSベンダーからPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)ベンダーに変わる」と、宇陀栄次社長は強調する(写真)。

 開発には、「Apexコード」と呼ぶセールスフォース独自の開発言語を用いる。今年1月から開発者向けにベータ版を公開していたが、今バージョンから正式に採用する。セールスフォースのCRMソフト「Salesforce」の機能を拡張したり、オンライン予約や在庫管理といった業務アプリケーションを自由に開発できるようになる。

 開発したアプリケーションは、Salesforceが稼働するサーバー・プラットフォーム「Apexプラットフォーム」上で動作する。Apexコードで開発した他のアプリケーションや、ブログなどのWebサービスとデータを連携させることも可能だ。

 セールスフォースは2006年1月から、サードパーティ製アプリケーションを同社のプラットフォーム上で稼働させるサービス「AppExchange」を提供し始めた。現在、全世界で3万ユーザーが、このサービスを利用している。Apexコード提供開始により、「CRMソフトを使わない企業も、当社のプラットフォーム・サービスを利用するようになる。ビジネス・チャンスは、従来の10~100倍に広がる」と宇陀社長は話す。

 「Salesforce summer'07」では、Apexコードが使えるようになったほか、約50種類の機能を強化している。ユーザーが手軽にデータ閲覧画面(レポート)を作れるようにする機能や、データベースに格納するデータの値を自動計算してアラートを通知する機能、画面上の項目名にマウス・カーソルを合わせるだけで関連するデータを表示する機能などを追加した。

 Summer '07の利用料金は、従来と変わらず1ユーザー当たり月額7500円から。アプリケーション開発のためのApexコードを利用するには、1ユーザー当たり月額3万円のUnlimited Edition契約が必要になる。