首位は千葉県市川市。豊富な情報をWebサイト上に掲載している
首位は千葉県市川市。豊富な情報をWebサイト上に掲載している
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 日経パソコンは2007年7月18日、市区町村の情報化進展度を評価する「e都市ランキング 2007」調査をまとめた。首位は千葉県市川市。Webサイトの豊富な情報・サービス、使いやすいWebサイト、セキュリティ対策の充実などが高得点につながった。住民の要望をデータベース化して政策に反映する仕組みの整備、住民票の写しなどを休日でも入手できる自動交付機の導入にも積極的なのが特徴だ。2位は神奈川県藤沢市。3位は兵庫県西宮市。町の最上位は、全体で49位の埼玉県小鹿野町。村の最上位は、全体で249位の秋田県東成瀬村だった。

 今回の調査で、携帯電話向けサイトで情報・サービスを提供する自治体が増えていることが明らかになった。携帯電話向けサイトを開設する自治体は、2006年の49.7%から56.2%に増加。市・区に限れば、75.5%の自治体が携帯電話向けサイトを開設している。一方で、個人情報の保護など、セキュリティ対策に問題を抱える自治体が多いことも判明した。例えば、個人情報を含むデータの持ち出し規定を設けていない自治体が、23.3%にも達している。また、業務改善の取り組みも遅れている。情報化の効果やコストを検証する行政評価を2006年度に実施した自治体は、21.4%にとどまった。

 e都市ランキングの発表は今回が8回目。調査の結果は日経パソコン2007年7月23日号に掲載。ランキングのほか、先進自治体の取り組みや情報化の課題などを解説している。1606自治体のランキングは、日経BP社のWebサイト「ITPro 電子行政」に掲載している。

【調査の概要】
調査の対象は2007年5月末時点の市町村と東京23区。自治体に対してアンケートで5月末時点の状況を聞き、回答を寄せた1606自治体について、情報化への取り組みを得点化してランキングを算出した(回収率は87.9%)。得点は「インターネットでの情報・サービスの提供」(40点)、「Webページのアクセシビリティの確保」(10点)、「庁内の情報インフラの整備、業務の情報化」(15点)、「情報化に関する政策の実施」(20点)、「セキュリティ対策の実行」(15点)の5分野について、100点満点で評価した。