発展途上国の子供1人ひとりに価格100ドルのLinuxノート・パソコン供給を目指す取り組みを進める非営利団体One Laptop per Child(OLPC)と米Intelは米国時間7月13日,技術および教育面のコンテンツ提供で協力体制を敷くことを発表した。IntelはOLPCの役員会にも参加する。

 Intelによると,同社は発展途上国の技術および教育支援のため,50カ国以上に年間1億ドル超を投資しているという。OLPCプロジェクトへの参加について,「技術によって世界中の子どもに21世紀のチャンスを与えるという当社の信念に向けた取り組みの1つ」と説明する。

 同プロジェクトでは,2005年の立ち上げ当初から米AMD,米Brightstar,米Google,米News,米Red Hatなどが協力し(関連記事),同プロジェクトによるノート・パソコン「XO」はAMDの「Geode LX-700」を採用している。

 XOは2006年9月に出荷を開始し,現在の価格は175ドル。一方Intelは2007年3月に,発展途上国での利用を想定した独自の教育用ノート・パソコン「Classmate PC」をリリースしている。約225ドルで販売しているが,年内に200ドルに引き下げる計画という(米メディア)。

 なお,OLPCの創設者兼リーダーであるNicholas Negroponte氏は5月20日に米CBSのテレビ番組で,IntelがXOの機能を疑問視する宣伝を行ったり,Classmate PCを貧困国に配給していることを指摘し,「IntelがOLPCプロジェクトに甚大な損害を与えている。Intelの“恥知らずな”ビジネス手法がなければ,価格が100ドルのノート・パソコンを300万台受注できる」と非難していた(関連記事)。

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