7月13日に開店するLABI池袋。ビル1棟を挟んで、隣がビックカメラ本店。向かい側はビックパソコン館本店
7月13日に開店するLABI池袋。ビル1棟を挟んで、隣がビックカメラ本店。向かい側はビックパソコン館本店
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会見を開いた山田 昇 社長兼CEO
会見を開いた山田 昇 社長兼CEO
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3階のパソコン・プリンター売り場。メーカーごとにノートパソコンがずらりと並ぶ
3階のパソコン・プリンター売り場。メーカーごとにノートパソコンがずらりと並ぶ
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2階のテレビ・デジタルレコーダー売り場。大型の薄型テレビが並んでいる
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急ピッチで開店の準備が進んでいる。店内案内パンフレットの表記や、各階ごとの壁を色分けしており、目的の商品を探しやすくしている。
急ピッチで開店の準備が進んでいる。店内案内パンフレットの表記や、各階ごとの壁を色分けしており、目的の商品を探しやすくしている。
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 家電量販店のヤマダ電機は2007年7月13日、同社の都市型店舗としては初の東京出店となる「LABI池袋」を開店する。店舗は地上8階、売り場面積3479平方メートル。池袋を本拠地としているビックカメラ本店のすぐ隣という立地で、ビック対ヤマダの激しい競争が起きるのは必至だ。翌日の開店を控えた同7月12日に山田 昇 社長兼CEOは会見を開き、新店舗の狙いと今後の展望を語った。

 ヤマダ電機は全国47都道府県に360の郊外店を展開している。小型のフランチャイズ店も含めれば店舗数は700店舗になるという。当初は郊外型の店舗のみだったが、2006年3月には大阪、2007年2月には仙台に都市型店舗「LABI」を開店した。

 池袋出店の狙いは、競合の多い都心部でのシェア獲得にある。山田社長はヤマダ電機の販売シェアを「全国では20%強。地元の群馬県では50%強。神奈川でも38%だが、東京都内は6%というところ」と分析する。ヤマダ電機の平成19年度の売り上げ金額は1兆4436億円。これを、年間2兆円に引き上げることを中期的な目標として掲げている。そのために、池袋店を突破口として、東京という巨大な市場を攻略するというわけだ。東京以外でも都市型店舗を展開していく。山田社長は「今後3年間は、年間3店舗の出店計画がある」という。

 都市型店舗の足がかりとなる場所に、池袋を選択した理由は「たまたま案件があった」から。都内は大型店舗を展開できるだけの場所が少ないため、理詰めで店舗の開発ができるわけではないという。競合するビックカメラに対しては「都市型店舗では先輩。胸を借りるつもりで経験をさせていただく」として、同じ地域で共存し、発展させていく方向を探りたいという考えを示した。

 店舗間の競合によって、価格競争の激化に発展する可能性もある。実際、隣のビックカメラでは一部商品で30%のポイントサービスを付加するなど、ヤマダ電機の出店に対抗する動きが出ている。これに対し、山田社長は公正取引委員会の指導を受けていることから、ポイントサービスでは販売促進の行動が取りにくくなっていると説明。「ポイントサービスは値引きだと認識されている。利益なき戦いはできなくなっている。業界は分かっているはずだ」とけん制した。

 過激な価格戦略に頼らないとすれば、ヤマダ電機の強みは何か。山田社長は全国展開のインフラだと説明する。既に47都道府県に店舗を展開しており、新たに店舗を新設するにしても、物流や宣伝広告のコストを最小限に抑えることができるという。大阪のLABI1なんばは苦戦しているといわれているが「ヤマダは1店の展開をするのにコストが違う。LABI1なんばは、売り上げが400億もあれば御の字。非常にもうかっている」という。LABI池袋の目標は「最低でも200億は売りたい」と語るにとどめた。