Enterprise Architect新版で追加された状態遷移表
Enterprise Architect新版で追加された状態遷移表
[画像のクリックで拡大表示]

 スパークスシステムズジャパンは,UML(Unified Modeling Language)を用いて情報システムをモデリング(設計)するためのソフト「Enterprise Architect」の新版,バージョン7を,7月11日にダウンロード出荷した。価格は,機能を抑えた最安価の「デスクトップ版」が,1本で1万7325円など。また,経費処理などの都合でパッケージ版が必要な企業向けには,ダイワボウ情報システムが箱入りのパッケージ版を販売する。開発会社は,オーストラリアのSparxSystems。

 Enterprise Architectは,UML2.1や,UML2.0をベースにハードウエアの記述を拡張したSysML(Systems Modeling Language),業務プロセス記述言語であるBPMN(Business Process Modeling Notation)などを用いて情報システムのプロセスを記述するUMLモデリング・ソフト。モデル図からソース・コードを生成したり,あらかじめ設定したルールに基付いてソース・コードからモデル図をリバース生成することが可能である。E-R図の記述もできる。

 新版では,組み込み系の用途に適した機能を強化した。具体的には,組み込み系の設計で用いられるテーブル形式の「状態遷移表」を作成できるようにした。状態遷移表は,UML2.0の図の1つであり状態遷移を表現する「ステートマシン図」との間で相互変換が可能で,どちらか一方に変更を加えると,もう一方が自動的に書き換わる。また,モデル図から自動生成可能なソース・コードとして,組み込み系の開発でよく使われる言語処理系であるC言語を新たにサポートし,構造体(struct)などの出力が可能となった。

 ソース・コードのスケルトンの生成と読み込みは,C,C++,Java,C#,MicrosoftのVisualBasicとVisualBasic.NET,BorlandのDelphi,PHP,Python,AdobeのActionScriptの10種類である。また,実行形式ファイルの実行結果ログからUMLのシーケンス図を生成する機能も備える。これにより,条件分岐などを廃したシーケンス図を得られる。

 Enterprise Architectの種類は3種類で,ダウンロード版の価格は以下の通り。機能をUML図のデザイン機能に限定した「デスクトップ版」が1本あたり1万7325円。主要機能を一通り備えた「プロフェッショナル版」が1本2万5725円。プロフェッショナル版の機能に加えて,チーム開発用のバージョン管理機能などを備えた「コーポレート版」が1本3万975円。なお,いずれも購入数が増えるとボリューム・ディスカウントが適用される。