写真1 CentOS 5.0 Live CDのデスクトップ
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写真2  CentOS 5.0 Live CDの起動条件の選択画面
写真2  CentOS 5.0 Live CDの起動条件の選択画面
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 CentOS Projectは2007年7月10日,CD-ROMから起動して利用できるLinuxディストリビューション「CentOS 5.0 Live CD」を公開した(写真1)。米Intel社のi386プロセッサ互換のCPUを搭載したパソコンで動作する。CD-ROMから起動してそのまま使えるため,ハード・ディスクにインストールせずに手軽にLinuxを利用できる。

 この形態のLinuxディストリビューションを一般に,LiveCD(あるいは1CD/DVD Linux)と呼ぶ。最近では,Fedora 7においてもLiveCD版が用意された(関連記事1関連記事2)。

 CentOS 5は,米Red Hat社のサーバー用途を中心とした商用Linux「Red Hat Enterprise Linux 5」(以下,RHEL5)のソースコードを用いて開発されたLinuxディストリビューション。商標など知的所有権を侵害するおそれがある個所以外は,RHEL5と同等である。

 今回公開されたCentOS 5.0 Live CDは,CentOSとしては初めてのLiveCD版となる。ちなみに,LiveCDから起動するときに,「boot:」プロンプトに対して,「m」を入力することで,起動時設定を変更できる(写真2)。

 CentOS Projectによると,今回公開したCentOS 5.0 Live CDは,サーバー用途ではなく,クライアント用途あるいはレスキュー用途に向けたもの。

 クライアント用としては,OpenOffice.org 2.0.4,Firefox 1.5.0.10,Gimp 2.2.13などが利用できる。

 レスキュー用途としては,効率良くディスクを管理する仕組みであるLVM(Logical Volume Manager)やRAID向けのコマンドが実行できること,パーティション操作が可能(QTParted)であること,ネットワーク調査・監査用のコマンド(nmap,nmapfe)が使えること,Sambaによるファイル共有を利用できること,などの特徴がある。

 今後は,Fedora Live CD Projectの成果を取り入れて,CD-ROM上のディレクトリへの仮想的な書き込みを可能にした5.1版を開発する予定。今回公開されたCentOS 5.0 Live CDは,CD-ROM上のディレクトリへの仮想的な書き込みや,CD-ROMから起動したデスクトップからのHDDへのインストールには対応していない。ちなみに,CentOS 5.0 Live CDは,ADIOS Project(http://os.cqu.edu.au/adios/)の成果を用いて開発された。