日本通信は7月9日,NTTドコモとの相互接続協議が不調なため,総務大臣の裁定を求める申請を出したと発表した。

 日本通信によると,MVNO(仮想移動体通信事業者)として第3世代携帯電話(3G)を利用したデータ通信サービスを提供するため,2006年8月からNTTドコモと協議してきたという。日本通信は「MVNOが提供するサービスの内容や料金を決める権利はMVNOにある」「接続料金はエンド-エンドで,帯域幅課金とすべき」「接続に必要な開発費および開発期間は合理的で適正な水準であるべき」といった点を主張してNTTドコモに相互接続を申請,協議してきたが,合意を得られなかった。具体的に争点となったポイントは「守秘義務の関係で開示できない」(日本通信)としている。

 電気通信事業法の第35条第3項には「通信事業者の通信設備との接続に関し,当事者間の協議が調わないときは,総務大臣の裁定を申請できる」とする規定がある。日本通信はこの規定に基づき,「総務大臣による裁定」を申請した。総務省は今後,NTTドコモから意見を聴取し,双方の主張を踏まえた上で裁定案を検討。電気通信事業紛争処理委員会に諮問して審議・裁定を進めることになる。

 NTTドコモはこの件について「日本通信と交渉していたのは事実。それ以上のことはコメントを差し控えたい」(広報部)としている。

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