2007年5月期の業績を発表する日本オラクルの新宅正明社長
2007年5月期の業績を発表する日本オラクルの新宅正明社長
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 日本オラクルは7月5日、2007年5月期の決算を発表した。売上高は前年度比10.1%増の1007億6700万円、営業利益は同14.5%増の367億8100万円だった。新宅正明社長は、「念願だった1000億円を突破し、今期の業績には満足している」と説明。08年5月期は売上高1183億円、営業利益395億円を目指す。

 事業別に見ると好調だったのは、ERP(統合基幹業務システム)パッケージをはじめとしたパッケージ・ソフト販売のビジネス・アプリケーション事業。前年比63%増の53億7100万円だった。同事業に付属するコンサルティングサービスも同26.7%増の72億500万円。「買収効果もあるが、元からの自社製品であるOracle E-Business Suiteも好調だった」(新宅社長)という。

 主力のデータベース・テクノロジー事業は前年比2.5%増の420億8400万円にとどまった。新宅社長は「市場が停滞しているわけではない。ただし、特定の大型案件や中堅企業市場で、取りこぼしがあった」と説明した。

 08年5月期に向けて日本オラクルは、米オラクルの子会社である日本オラクルインフォメーションシステムズ(OIS)との協業強化を発表。日本オラクルにアプリケーションの販売を一元化する。具体的には、OISに所属する約270人の社員を日本オラクルに出向させ、営業、サポート、エデュケーション、コンサルティングの各事業を日本オラクルに統合。この協業強化により、08年5月期は約6%の増収を見込み、ビジネス・アプリケーション事業単独で07年5月期比86.2%増の100億円を目指す。

 OISは米ピープルソフトや米シーベル・システムズなど米オラクルが買収したアプリケーション・ベンダーの日本法人を統合した企業。日本オラクルが上場企業であることから手続きが複雑になるため、日本オラクル傘下に買収企業の日本法人を置かずにOISを米オラクル傘下に置いていた。新宅社長は、「OISとどのような形で統合するかは、さまざまな議論があった。その中で、今回の協業強化という形態はベストな選択だ」と新宅社長は強調する。

 データベーステクノロジー事業の08年5月期は前年比6.2%増の447億円を予想している。大口顧客専用の部署や、20~30人から成る中堅中小企業向けの組織を6月1日付で新設。加えて、米国ではすでに開始しているOSS(オープンソース・ソフト)のサポート組織「Unbreakable Linuxビジネス推進部」も設立した。データベーステクノロジーについて新宅社長は、「ハードウエアの高性能化によるシステム当たりのCPU数の減少や、CPUのマルチコア化の動向を気にしながら戦略は立てている。前期と同様にオプションやミドルウエア製品で売り上げを伸ばす」と説明した。