欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は,スペインの通信事業者Telefonicaが同国のブロードバンド市場における自由競争を妨げたとして,1億5190万ユーロ(2億700万ドル)の罰金を課した。ECがベルギーで現地時間7月4日に明らかにしたもの。

 スペインでは,ブロードバンド接続としてADSLが広く普及しているが,国内を網羅する有線ネットワークを保有しているのはTelefonicaだけである。このため,ブロードバンド接続サービスを提供する他の事業者は,Telefonicaからブロードバンド・アクセスを購入する必要がある。ECは,Telefonicaが優位的立場を乱用してブロードバンド・アクセスの卸値を自社の小売価格より高く設定し,競合他社に不当な損失を与えたと指摘している。

 「高い卸値によって,ブロードバンドの小売市場が減退した結果,スペインの消費者はEU15カ国より20%高い接続料金を支払っている。また,EU15カ国の平均と比べブロードバンドの普及率が20%低く,成長率も約30%下回っている」(EC)。

 ちなみにECは2003年にも,フランスのFrance Telecom子会社であるインターネット・サービス・プロバイダWanadooに,同様の理由で罰金を課している。

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