ドイツのハンザ同盟上級地方裁判所(Hanseatic Higher Regional Court)は現地時間7月4日,ドイツのDaniel Giersch氏と米Googleのあいだで争われていたWebメール・サービス「Gmail」の商標権に関する訴訟で,「GoogleがGiersch氏の持つ商標『G-mail』を侵害している」と判断した。Giersch氏の経営するドイツのGiersch Venturesが同日に明らかにしたもの。

 Giersch氏によると,同氏はハイブリッド・メール・システム「G-mail」を運営しており,「G-mailという名称を,Googleより4年早い2000年には登録していた」という。「(Gmailと)名称が似ているため何度も混同され,犯罪組織にまで誤解された」(同氏)。

 これに対し同地裁は,Giersch氏がGoogleより先に商標を登録していたことを認めた。その結果,Googleはドイツ国内でGmailという名称を使えなくなる。

 Giersch氏は,スペイン,ポルトガル,スイスでも同様の訴えを起こしている。スイスではGiersch氏の主張を認める裁定が下されており,同氏は現在スイス国内でGmailという名称の使用差し止めを求めている。またオーストリアでも,Giersch氏に有利な条件で係争を終えたという。

 米メディア(CNET News.com)によると,G-mailはGiersch氏が運営している電子郵便配達サービス「Giersch mail」の略称。同氏はドイツ/スイス/ノルウェー/モナコでのみ同商標の使用を望んでいるという。また同メディアは,Googleが英国においてGiersch氏とは別の商標権訴訟で敗訴しサービス名を「Google Mail」に変更したほか,ポーランドでも商標に関する訴えを起こされ係争中と報じている。

[発表資料へ]