LG製端末含め、8機種を発表
LG製端末含め、8機種を発表
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ワンセグ内蔵で薄型の「SH704i」
ワンセグ内蔵で薄型の「SH704i」
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10~20代女性向けのワンセグ端末「D704i」
10~20代女性向けのワンセグ端末「D704i」
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HSDPA内蔵の「L704i」
HSDPA内蔵の「L704i」
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NTTドコモ 執行役員 プロダクト&サービス本部 プロダクト部長の永田清人氏
NTTドコモ 執行役員 プロダクト&サービス本部 プロダクト部長の永田清人氏
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 NTTドコモは2007年7月4日、普及価格帯の第3世代携帯電話の新製品「FOMA 704iシリーズ」8機種を発表した。2007年7~10月に順次発売する。うち2機種にワンセグのチューナーを内蔵、1機種をHSDPA準拠とした。

 ワンセグ機能を搭載したのは、シャープ製の「SH704i」と三菱電機製の「D704i」。従来はハイエンド機「FOMA 90xi」でのみ実装していたワンセグ機能を普及価格帯の製品にも搭載することで、需要喚起を図る意向。とりわけ、SH704iは20代女性、D704iは10~20代女性を主なユーザー層と想定しており、この層のユーザーが気軽にワンセグ端末を選べるようにした。

 韓国LG電子製の「L704i」は、3Gのデータ通信高速化仕様であるHSDPAに準拠しており、下り最大3.6Mbpsで通信可能。同社のアジア・欧州向け端末で人気を博している、「chocolate」というきょう体デザインをそのまま用いている。同社は従来、低価格の3G端末「SIMPURE」3製品をNTTドコモ向けに出荷していたが、今回は中位モデルである70xiシリーズで製品を初投入する。

「ドコモ2.0」宣言はどこへ?
小幅な仕様変更にとどまった事情

 他の5機種については、既存製品の小幅な仕様変更にとどまっている。

 同社は「Docomo 2.0」と題した広告キャンペーンを大規模に展開し、「NTTドコモは変わった」というメッセージを出しているが、今回の704iに関しては寂しい状況となっている。

 パナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P704i」は、同社がソフトバンクモバイル向けに出荷している「810P」とほぼ同様のデザイン。カメラ撮影用のストロボや手ぶれ補正用の加速度センサー、角速度センサーを追加するなどの仕様変更を施している。

 NEC製の薄型端末「N704iμ」、パナソニック モバイルコミュニケーションズ製の薄型端末「P704iμ」、富士通製の防水端末「F704i」は、いずれも従来製品と同じきょう体。外形寸法、重さ、連続待ち受け時間、連続通話時間に変化はない。海外の3G圏内におけるローミング機能を追加したほか、きょう体表面のデザインを変更している。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「SO704i」は、従来製品で用いていた香り付きのきょう体パネルを廃止したほか、きょう体表面のLEDによるイルミネーションを変更している。

 これらの機種で小幅な仕様変更にとどまった理由について、製品発表の記者会見に登壇したNTTドコモ 執行役員 プロダクト&サービス本部 プロダクト部長の永田清人氏は、「2007年1月に発表した従来製品『FOMA 703iシリーズ』では、きょう体の防水機構や薄型きょう体の設計といった技術的に大きな課題に挑んできた。そうした大規模な設計見直しを半年ごとに行うよりも、見直すかどうかをそのつど柔軟に考えていきたいと判断した。704iの開発では、国際ローミング機能の追加に長い時間をかけて取り組んだ。703iで好評を得たきょう体をあえて大きく変える必要はないと考えた」としている。

 一般に、国内の携帯電話開発では1製品ごとに1年半から2年程度の開発期間を要するといわれている。携帯電話番号ポータビリティー(MNP)制度の開始直後だった703iにおいて複数の戦略商品を投入するという方針を立てた結果、いくつかの端末メーカーにおいて703iに集中的に開発資源が割り当てられ、今回の704iで大規模な設計変更をできる開発資源を確保できない状況にあったとみられる。

GPSは全機種非搭載、「2年後に普及率50%」に黄信号

 今回の704iでは、8機種すべてにGPSモジュールを搭載していない。