米マカフィーは2007年7月3日(米国時間)、米アップルの「iPhone」を無料で進呈するという嘘の情報を掲載して、メールアドレスなどを登録させるWebサイトが多数確認されているとして注意を呼びかけた。登録した情報は、迷惑メールの送信などに使われる。
こういったサイトでは、検索サイトの広告スペースを使ってユーザーを誘導しようとする。マカフィーが確認したケースでは、「iphone」や「apple iphone」、「free iphone」といったキーワードで検索した際に表示される広告の中に、“おとりサイト”が含まれていたという。
例えば、「iphone」の検索で表示された2サイトに別々のアドレスを登録したところ、一方には1週間で平均66通、もう一方には511通の迷惑メールが送られてきたという。
マカフィーによれば、“旬”の商品(今回のケースではiPhone)をタダでもらえると思わせて、個人情報などを入力させる手口が増えているという。そういったWebサイトでは、メールアドレスなどの情報を入力しさえすれば、簡単に商品がもらえるように思わせるが、実際に送られてくることはほとんどない。
Webサイトによっては、メールアドレスの提供だけではなく、クレジットカードや学資ローン、音楽配信サービスの申し込みを要求する。友人を5人紹介することを商品進呈の条件にしているサイトもある。このためほとんどのユーザーは、申し込みの途中で商品をもらうことを断念するという。
ただ、途中で断念しても、それまでに送信したメールアドレスなどは相手の手に渡っているので、それらを基に迷惑メールが送られてくる。言われるままに有料サービスに申し込んだ場合には、料金を支払うはめになりかねない。しかし、iPhoneが送られてくることはない。
名前を使われた企業(今回の場合にはアップル)も、“おとり商法”に関係していると思われて、ブランドイメージが傷つく恐れがある。得をするのは、そういったWebサイトの運営者のみ。迷惑メール送信事業者へのメールアドレスの販売や、クレジットカードや各種サービスの紹介料で利益を上げるというわけだ。