「スタンドアロンのMicrosoft ProjectやExcelでプロジェクトを管理している現状から,ユーザーを解放したい」(サイオス 代表取締役社長 喜多伸夫氏)---サイオスは7月4日,オープンソースのプロジェクト管理ツール「Project Keeper」を発表した。同日ベータ版を公開,2007年8月中に正式版を公開する。正式公開後もProject Keeper自体は無償で,サイオスは有償サポートを提供する。
「現在,プロジェクト管理ソフトウエア市場はMicrosoftのスタンドアロン製品のシェアが50%を超えている。一方,サーバーに情報を集約できる大規模向けツールは非常に高価で,2分化している」(サイオス グループマネージャー宮崎哲明氏)。同社では内部統制の強化の流れにともない,情報をサーバーで一元管理するツールの受容が増加すると見ており,Project Keeperは「簡単に使え,かつ情報を集約できる」という中間の領域を狙う。
ユーザー・インタフェースはすべてWebブラウザ・ベースで,ガント・チャートなどはマウス操作で移動したり,長さを変更することができる。作業時間から人件費を計算しプロジェクトの損益を管理できる機能なども備える。スケジュールや作業時間,損益などのデータはダウンロードしてExcelなどの表計算ソフトに取り込むことができる。
有償サポートは50ユーザーで年間60万円から。問い合わせへの回答や,必要に応じたパッチ提供などを行う。「将来的にはASP形式での提供も行っていきたい」(喜多氏)。
サーバーの動作環境はWindowsまたはLinuxで,ベータ版はIBMの無償ミドルウエアであるWebSphere Application Server Community EditionおよびDB2 Express-C上で稼働している。正式版ではApache Tomcat や PostgreSQL など,他のオープンソース・ミドルウエアにも対応する予定。
Ptoject Keeperはサイオスのホームページからダウンロードできる。