NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC)は7月3日,独自のトンネリング手法を使ったVPN(仮想閉域網)技術「IP-WARP」を発表した。併せて,この技術を利用したサービスの提供を予定していることを明らかにした。同社はこのVPN技術を,「LAN内の特定の端末を,LAN外の特定ネットワークへワープさせる技術である」とうたっている。

 NTTPCが提供予定のサービスでは,IP-WARPをユーザー企業の拠点とNTTPCのデータセンターの間で利用する。データセンターとユーザー企業の本社は専用線やVPNサービスで接続する。これでセキュリティを確保した通信を可能にする。

 IP-WARPは,ユーザー企業の拠点に設置する「FA(Foreign Agent)」,NTTPCが同社のデータセンターで運用する「HA(Home Agent)」および「認証・コンフィグレーション・サーバ」の3種類のシステムで実現する。データセンターに送るIPパケットを,拠点のFAが3DES形式または鍵長128ビットのTwofish形式で暗号化し,IPにカプセリング化してインターネット経由でHAに送信。HAでカプセリングを解き復号化する。データセンター側で,MACアドレスや送信元IPアドレス,パスワードを使って認証処理を実施する。HAは受け取ったパケットを,専用線などを通じてユーザー企業の本社に転送する。

 ユーザー企業に設置する必要があるFAとして,外付けタイプとパソコン用ドライバ・ソフト(Windows用)の2種類用意する。なおIP-WARPのサービス開始時期や料金は未定である。

 また同日,カシオ計算機が8月1日に発売するレジスター新製品の「TE-2500」および「TK-2500」にIP-WARPが内蔵されていることを発表した。価格はオープンだが,「TE-2500」と「KT-10」(おサイフケータイ読み取り装置と暗号キーパッドを搭載した端末)のセットで7万円前後と予想される。

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