米AT&Tは米国時間6月29日に,無線通信サービスの米Dobson Communicationsを買収する計画であることを明らかにした。Dobson株式1株につき現金13.00ドルを支払う(総額約28億ドル)。取り引きは,年内に完了する見込み。

 AT&TはDobsonの負債も引き受けるため,取引総額は約51億ドルにのぼる。ちなみに1株あたり13.00ドルという金額は,6月28日のDobson株の終値(11.12ドル)と比べ16.9%高い。

 Dobsonは米国17州における地方や郊外向けの無線通信サービスを手がけ,170万人の加入ユーザーを持つ。1990年より,AT&Tおよびその前身である企業に「Cellular One」ブランドでローミング・サービスを提供してきた。

 当買収により,AT&Tは米国内無線ネットワークの統合を促進したい考え。「地方市場は当社にとって魅力的だ。当社の無線事業にDobsonが加わることにより,ネットワーク範囲を拡大し,両社の顧客がいつでもどこでも希望する方法でネットワークにアクセスできるようになる」(AT&T会長兼CEOのRandall L. Stephenson氏)

 AT&Tによれば,同社ネットワークとDobsonネットワークはの重複は「ごくわずか」という。AT&Tは,当買収で地理的なサービス拡大を実現するだけでなく,Dobsonの850MHz帯でサービス品質の強化も図る。

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