ケーブルテレビ(CATV)統括運営会社のメディアッティ・コミュニケーションズは2007年6月28日,気象庁が配信する緊急地震速報をCATV網経由で加入者に通報するシステムの実証実験を,7月に実施すると発表した。実験を行うのは,江戸川ケーブルテレビと宮城ネットワークの傘下2局である。リアルタイム地震情報利用協議会(REIC)とケーブルテレビ情報センター(CRI)が共同で実施している「ケーブルテレビネットワークを利用した緊急地震速報の家庭内利活用実証実験」に参加する形で行う。メディアッティは今回の実験の結果を基に,商用サービスの早期提供や,ほかの傘下CATV局への展開などを検討する。

 緊急地震速報とは,地震発生直後に震源付近の地震計でとらえた初期微動のデータを基に震源や地震の規模,予想到達時間などを推定し,大きな揺れが来る前に知らせるものである。実証実験では,モニターとして参加する加入者宅に受信端末を設置し,地震の規模や到達予想時間などを音声で伝える。

 なお,メディアッティは首都圏で4局,仙台市で1局,新潟市で1局,沖縄県で1局の合計七つのCATV局を運営している。2007年5月末のグループ全体のホームパスは約104万世帯であり,加入世帯数はテレビ放送が約16万件,インターネット接続が約9万4000件となっている。