米Microsoftは6月27日(米国時間),「Windows Vista」に同こんされている写真編集アプリケーション「Windows Photo Gallery」の改良版である「Windows Live Photo Gallery」と,Webベースのファイル・ストレージ・サービス「Windows Live Folders」の二つを,「Windows Live」ブランドの新機能として,早期プライベート・ベータ版の提供を開始した。ただし同じ週のビッグ・ニュースは,MicrosoftがWindows Liveの展開計画をやっと明らかにし,Windows搭載パソコン,Windows Mobile対応デバイス,Web環境で作動する充実したWindows Liveスイートを今後提供するというものだ。

 二つの新機能はいずれも現在はプライベート・ベータ版で,Microsoftは2007年終わりごろパブリック・ベータ版のリリースを予定している。このWindows Live Photo Galleryベータ版は,現行のWindows Photo Galleryを代替するスーパーセットのアプリケーションだが,現行版と異なりWindows VistaユーザーだけでなくWindows XPユーザーも利用できる。

 Windows Live Photo Galleryは写真の取り込みや編集,共有といった機能を備え,Windows Liveサービスとの連携が可能になった。例えば,同アプリケーションのツールバーに新しく設けられた「Share」(共有)ボタンをクリックすると,アプリケーション内から直接写真をブログ・サービス「Windows Live Spaces」に投稿したり,「Hotmail」でメール送信したりできる。複数の写真をうまくつなぎ合わせてパノラマ写真を作るなど,特色ある機能も提供する。

 以前からうわさされていたWindows Live Foldersのベータ版(名称は変更される予定と聞いた)は,512Mバイトのストレージ容量を無償提供するWebベースのサービスで,アップロードして保存可能なファイルの最大サイズは1個当たり50Mバイト。追加料金を支払うとストレージ容量を増やせるが,Microsoftによる容量追加メニューの発表は試験運用が始まってからになる。

 「Personal Folders」(個人用フォルダ),「Shared Folders」(共有フォルダ),「Public Folders」(公開フォルダ)という三つの主要オプションで構成されるシンプルなユーザー・インタフェースを採用し,異なるフォルダ・アクセス権限を設定できる。このサービス独特の機能は,「Windows Live ID」(旧名称は「Passport」)アカウントを持っていないユーザーに対しても,共有フォルダへのアクセスを許可できる点だ。

 Microsoftはこれら二つのWindows Liveの新機能によって,Windows Liveの将来像を示し始めている。さらに2007年中にリリースする予定の次期Windows Liveで,これまでバラバラだった各機能のルック&フィールを統一し,パソコン上のアプリケーションとWebベースのサービスの連携を強化し,Windowsパソコンやモバイル機器,Webからの“いつでも/どこでも”アクセスを実現する。Microsoftの刷新されたWindows Live戦略に関する記事は,近々SuperSite for Windowsに掲載する。