総務省の情報通信審議会は6月26日,「携帯電話等周波数有効利用方策委員会」の第25回会合を開催し,家庭や店舗に設置する小型の携帯電話・PHSリピーターに関する報告案を開示した。現行の法制度では,小型リピーターの設置は通信事業者が手配した専門業者が行わなければならない。また,電源のオン/オフなどの操作をユーザーが行うことはできない。報告案では,これを見直してユーザーが自由に設置できるようにするための技術的条件について書いている。

 リピーターは,携帯電話やPHSの電波を中継する装置のこと。小型のリピーターを家庭や店舗などに設置することで,電波が届きづらい状況を改善できる。ソフトバンクモバイルが「ホームアンテナ」と称して無償貸与しているものや,ウィルコムがレンタルで提供する「ウィルコムホームアンテナ」などがある(関連記事)。総務省の文書では,こうした装置を正式には「小電力レピータ」と呼んでいる。

 総務省は,今回の報告案について6月27日からパブリック・コメントの募集を開始。7月中にも情報通信審議会からの答申を受ける予定だ。その後,電波監理審議会への諮問を経て,早ければ年内にも関係省令を改正する見通し。改正されれば,リピーターの設置や電源のオン/オフをユーザーが自由に行えるようになる。また,リピーターの免許形態を包括免許に変更するため,家電量販店や携帯電話ショップなどでリピーターを気軽に購入できるようになる可能性もある。

 今回の報告案に盛り込まれた規制緩和は,携帯電話基地局の電波を中継するリピーターが対象。ブロードバンド回線に接続して家庭内で利用する小型の基地局「フェムトセル」は対象外となっている(関連記事)。フェムトセルについては,6月26日に公開されたモバイルビジネス研究会の報告書案で「07年度末を目途にその取扱いについて一定の結論を得ることが適当」としている(関連記事)。

[委員会報告案に対する意見募集]