ヤフーは6月27日,コンビニエンス・ストア店頭でのオークション落札品のやり取りや匿名の銀行口座などを利用できる「受け取り後決済サービス」を7月11日に開始すると発表した。出品者と落札者の間でプライバシーにかかわる情報をやり取りせずに,オークションを利用できるようにする。利用料金は出品者は無料,落札者は利用する金融機関に応じた手数料がかかる。

 新サービスは,(1)匿名決済,(2)匿名配送,(3)商品受取後決済,の組み合わせで構成される。

 (1)の匿名決済は,出品者が落札者に正規の口座番号と口座名義を知らせずに代金を受け取れるようにする仕組み。出品者には,1回の取引ごとにジャパンネット銀行から「受け取り後決済口座」と呼ぶ一時的な口座が割り当てられる。出品者は,この口座に落札者から代金を振り込んでもらうことで,正規の口座を知らせずに取引できる。落札者もヤフーの決済サービス「Yahoo!ネットバンキング」を利用して振り込めば,出品者に対して口座名義を知らせずに取引できる。

 (2)の匿名配送は,出品者と落札者が互いの氏名,住所,電話番号などを知らせずに落札品をやり取りする仕組み。コンビニと運送会社が取引の一つひとつを伝票番号で管理することで,出品者と落札者の間で落札品を配送・受け取りできるようにする。落札品のやり取りには,日本通運,ヤマト運輸による配送またはセブン-イレブン店頭での発送・受け取りを選択できる。

 (3)の商品受取後決済は,オークション詐欺やユーザー間のトラブルを防ぐことが狙いだ。匿名決済の一時口座に落札者が振り込んだ代金は,ジャパンネット銀行がいったん受け取る格好になる。その後,落札者の手元に落札品が届いたことを運送会社やコンビニが確認してから,ジャパンネット銀行が出品者の正規の口座に振り込む。そのため,落札者が代金を支払ったのに商品が送られてこないというトラブルを防げるとしている。

 プライバシー保護やトラブル防止を目的とした同様のサービスは,楽天が「楽天あんしん取引」として提供中。このサービスでは,コンビニと運送会社ではなく郵政公社が介在する。ヤフーは「コンビニならば店舗数も多く,24時間無休で対応できるため,我々のサービスの方が使いやすいと思う」と自社サービスの優位性を強調した。