米IBMは,米エネルギー省(DOE)のコンピュータ・センターArgonne Leadership Computing Facility(ALCF)に,新型スーパーコンピュータ「Blue Gene/P」の1号機を納入する。DOEの科学局およびアルゴンヌ国立研究所(ANL)とIBMが米国時間6月26日に明らかにしたもの。ALCFに設置するBlue Gene/Pの演算速度は114テラFLOPSになるという。

 ALCFは,当初4096個のプロセサで試験および開発用のシステムを構築し,2007年秋には3万2768個に拡張する計画。ALCFでは,Blue Gene/Pを気象変動の予測や複雑な生物システムの研究など主に科学的な用途に使う。

 Blue Gene/P自体は,ペタFLOPSレベルまで高速化可能な設計を採用している。現行の「Blue Gene/L」用に作成したアプリケーションを動かすことのできる互換性を備える。

 またIBMとANLは,Blue Gene製品系列システム向けオープンソース・ソフトウエア開発の支援活動を2008年初頭より展開する。

 米メディア(CNET News.com)によると,Blue Gene/Pに搭載するプロセサは,動作周波数850MHzの「PowerPC 450」プロセサのコア4個で構成し,2フィート(約60cm)角の基板に32個を実装することで,基板1枚当たりの演算速度を毎秒4350億回(435 BOPS)にしたという。システムとしては,基板32枚を高さ6フィート(約1.8メートル)のラックに格納する。

 また同メディアは,Blue Gene/Pは最大で3ペタFLOPS以上まで拡張可能で,その場合ラックが216台,プロセサが88万4736個必要と報じている。

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