シマンテックは6月25日,バックアップ・ソフトの新製品「Veritas NetBackup PureDisk」を発表した。データの重複排除機能を備えていることが最大の特徴で,それにより,バックアップ対象のデータ量を削減できる。提供開始は8月上旬で,参考価格は135万円より。

 最大の特徴である重複排除機能とは,バックアップ対象のファイルを「セグメント」という単位に分割し,まったく同じ内容のセグメントが既にバックアップされていれば,それを転送対象から排除するものである。セグメントのサイズはデフォルトで128Kバイト。セグメントが同じかどうかはハッシュ値で判定する。

 NetBackup PureDiskの構成は,バックアップ対象となるファイル・サーバーなどに導入するエージェント・ソフトと,PureDisk本体となるサーバー・ソフト(PureDiskサーバー)からなる。バックアップ・データの保管場所は,PureDiskサーバーを動作させているマシンに接続したディスクになる。PureDiskサーバーにはセグメントのほか,バックアップ対象ファイルのメタ情報を格納する。メタ情報には「ファイルはどのセグメントの集合から成り立つか」という情報も含む。

 具体的には次のような動作になる。バックアップを取得する際,まずエージェント・ソフトがファイルごとの属性情報(更新日など)をPureDiskサーバーに転送し,属性情報が更新されていなければセグメントの転送は行われない。属性情報が更新されていれば,ファイルをセグメントに分割してセグメントごとのハッシュ値をPureDiskサーバーに転送し,サーバーに保管しているセグメントのハッシュ値と突き合わせる。そして異なるハッシュ値のセグメントのみ転送し,メタ情報も更新する。

 設定次第では,複数世代のバックアップ・ファイルをPureDiskサーバーに保管できる。ファイルをリストアする際は,PureDiskサーバーから該当ファイルを探してダウンロードする,という手順になる。