住友電工のブロードバンド機器開発部PLC機器開発部長の弘津研一氏
住友電工のブロードバンド機器開発部PLC機器開発部長の弘津研一氏
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 住友電気工業は2007年6月25日、報道関係者向けにセミナーを実施し、電力線通信(PLC)の規格の1つである「HomePlug AV」の採用動向や標準化活動の現状について説明した。

 HomePlug AVは、松下電器産業などが標準化を進める「HD-PLC」、スペインのDS2などが標準化を進める「UPA」と並ぶPLC規格の一つ。HomePlug Powerline Alliance(HPA)という団体が標準化を進めている。HPAには現在、米インテル、米インテロン、米ブロードコムなどの海外ベンダーのほか、住友電工、シャープなどの日本企業も参加。会員企業は75社に上っている。
 
 住友電工のブロードバンド機器開発部PLC機器開発部長の弘津研一氏はHomePlug AVの最近の採用動向として、2008年以降、インテルが提唱するホームエンタテインメント向けのパソコンのプラットフォーム「VIIV」にHomePlug AVがオプションとして採用されることを紹介。KDDIが2007年5月からFTTH「ひかりOne」のユーザーを対象に、HomePlug AVに準拠した住友電工製のPLCアダプターの提供を開始したことも挙げ、「国内外でHomePlug AV規格の採用が進んでいる」とした。HPAの今後の活動として、HomePlug AV規格に準拠した製品の相互接続テストを実施し、テストをクリアした製品にHomePlug AVの認証マークを付けるプロジェクトを開始する予定があると述べた。

 また、現在は異なる規格に準拠したPLCアダプターを同じ電力線につなぐと互いに使えなくなる問題について言及。「3つの規格を統合するのは難しいとしても、同じ電力線上で共存できるようにはすべき。HPAとしてHD-PLCとUPAの標準化団体にも働きかけていきたい」と述べた。