NTTPCコミュニケーションズは6月22日,仮想的な専用サーバーのホスティング・サービス「WebARENA SuitePRO」を7月3日から機能拡張すると発表した。料金据え置きでディスク容量を20Gバイトと従来の約3.3倍に拡張するほか,サーバーの物理構成を見直して信頼性を向上させる。
このサービスでは,1台のサーバーを複数のユーザーで共用する。共用するサーバーは仮想化ソフト「OpenVZ」で複数の仮想マシンに分けており,それぞれの仮想マシンをユーザーが利用する。そのため,一般的な共用サーバーのホスティング・サービスとは異なり,ユーザーはルート権限があり,専用サーバーのように利用できる。専用サーバーに近い使い勝手ながら,低料金で利用できる点が特徴だ。
今回の機能拡張は,サーバーの物理構成を見直して実現した。一つは,SAN(storage area network)を利用してサーバーをディスクレス化し,ストレージを分離したこと。これにより,ユーザーごとに割り当てるディスク容量を6Gバイトから20Gバイトに拡大。さらに,50Gバイトまで増設できるようにした。
もう一つは,サーバーのCPUとメモリの強化。CPUの搭載数を4倍に,メモリ容量を2倍にした。「従来は,共用するユーザーがサーバーのリソースを占有してしまい,ほかのユーザーでレスポンスが落ちることがあった。今回の強化で,こうした問題は起こりづらくなる」(NTTPCコミュニケーションズ)とする。
このほか,仮想化ソフトをバージョンアップして,より専用サーバーに近い使い勝手に変えた。具体的には,従来は制限のあった「iptables」によるパケット・フィルタリングや「ping」による疎通確認などのコマンドに対応した。
NTTPCコミュニケーションズは「主にASPやSaaS事業者などがプラットフォームとして利用することを想定している。将来的には,ASPやSaaS事業者のサービスと当社のVPNサービスを組み合わせて提供することも検討したい」としている。
月額料金は,20Gバイトのディスク容量でWeb,FTP,メール,データベースなどに対応した基本サービスが8820円。ディスク容量を追加する場合は,5Gバイト当たり月額2100円である。
[発表資料]