公共料金、税金などの料金をATMやインターネットバンキングなどで簡単に支払うことができる電子決済サービス「ペイジー」による公金納付件数が増えている。日本マルチペイメントネットワーク推進協議会と日本マルチペイメントネットワーク運営機構によると、2006年度のペイジーによる地方公共団体の公金取扱件数は約559万6000件。2005年度の約236万7000件と比べて2.4倍となった。(図1)。2006年度は、東京都、愛知県などで自動車税の納付にペイジーの利用が可能になったこと、全国2万数千台の郵便局ATMでペイジーの取扱いが可能になったことなどが、利用拡大につながった見られる。なお、ペイジー全体の2006年度の取扱件数は約2200万件で前年度の1.4倍だった。

図1.地方公共団体における取扱件数推移(ATM、パソコン、モバイルのほか窓口も含む)
図1●地方公共団体におけるペイジー取扱件数推移(ATM、パソコン、モバイルのほか窓口での取り扱いも含む)
出典:日本マルチペイメントネットワーク推進協議会/運営機構

 利用件数は今年度に入ってさらに伸びている。日本マルチペイメントネットワーク推進協議会/運営機構が6月21日に発表したデータによると、2007年5月のペイジーによる地方公共団体の公金取扱件数は約27万1000件で、2006年5月の月間取扱件数(約14万7000件)の2倍近くに増えた(図2)

図2●5月の地方公金の取扱件数推移
図2●5月の地方公金の取扱件数推移(窓口での取り扱いは含まない)
出典:日本マルチペイメントネットワーク推進協議会/運営機構

 また、東京都によると、今年5月末日までに都に納められた自動車税うち、ペイジーによる納付は約7万1000件。同日までの自動車税の総納付件数(約176万件)のうち約4%を占めたという。前年度のペイジー取扱率は2%未満だったことから、取扱率は2倍以上増えたことになる(注)

注)2006年5月末時点での取扱率ではなく2006年度全体の数値のため、2007年5月末時点の数値と単純比較はできないが、東京都の自動車税納付でペイジー利用が大きく伸びていることは間違いないといえる。

 日本マルチペイメントネットワーク推進協議会/運営機構では、ピンクパンサーをペイジーのキャラクターとして起用し、都内JR山手線への交通広告などのほか、初の試みとして、大阪市、名古屋市でも交通広告を展開するなど、今年4月、5月の納税シーズンに合わせてPRを強化していた。

■変更履歴
記事中「日本マルチペイメントネットワーク推進協議会/推進機構」とありましたが、正しくは「日本マルチペイメントネットワーク推進協議会/運営機構」でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2007/06/25 09:59]