富士通は6月19日、防衛分野のシステム開発において、米国で実績があるリアルタイムJava開発・実行環境「PERC」を採用すると発表した。PERCは、米エーオニックスが提供するJavaVM(仮想マシン)で、米国防総省と米陸軍が取り組んでいる将来戦闘システム構想や、米ボーイングの無人空中戦闘システムで採用されているという。

 これまで富士通は、防衛分野向けシステムの開発にはAdaやC/C++などの言語を用いてきた。これをJavaに変更することで、「生産効率が1.2~2倍になり、開発コストを削減できる」(富士通広報)。保守性も高まるという。

 ただ、レーダーやセンサーといった搭載電子機器や、防衛関係の指揮統制システムなど応答時間がシビアなシステムに、一般的なJavaアプリケーションは向かない。ガーベジコレクションなど、リアルタイム性を阻害する要因が存在するからだ。そこで同社は、リアルタイムJava大手の米エーオニックスと協業し、PERCの国内販売権を得た。

 富士通は、「今後、防衛分野ではJavaが主流になる」と見ており、いち早くリアルタイムJavaに取り組むことで競合他社との差異化につなげる考えだ。