米IDCは,米Appleが間もなく発売する携帯電話「iPhone」の需要について調査した結果を,米国時間6月19日に発表した。それによると,iPhoneの価格と,キャリアの乗り換えにかかる費用が,普及の足かせになる可能性があるという。

 調査は,携帯電話の購入を検討しているインターネット・ユーザーを対象にオンライン・アンケートを実施したもの。456人から回答を得た。なおAppleは,iPhoneの発売を6月29日に予定しており,米AT&Tが独占的キャリアとなる。

 iPhoneに関心がある回答者は約60%だった。しかし,AT&Tと2年契約を結ぶ必要があるため,すぐに購入したいという回答者は10%にとどまった。米国キャリアが広く導入している2年契約は,中途解約すると高額な違約金が発生するため,簡単に乗り替えることができないからだ。現在加入しているキャリアがiPhoneを提供するなら購入したいという回答者は17%だった。

 iPhoneの価格は4Gバイト・モデルが499ドル,8Gバイト・モデルが599ドルだが,「価格が299ドルを下回るなら購入したい」というユーザーは約18%だった。

 IDC,モビリティ・リサーチ担当ディレクタのShiv K. Bakhshi氏は,「Appleの熱心なファンや,噂の新製品を手に入れたいというユーザーがiPhoneを購入するのは間違いない。しかし所有コストが高額なため,大半は様子見の姿勢をとるようだ」と説明する。

 また,IDCモバイル・デバイス技術およびトレンド担当上級アナリストのChris Hazelton氏は,「現時点では,消費者がどのようにiPhoneを利用したいと考えているか不透明。iPhoneの機能と対応ネットワークが,長期的な成功のカギを握るだろう」と予測した。

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