米Mozilla FoundationのCOO(最高執行責任者)であるJohn Lilly氏は米国時間6月14日,自身のブログで米AppleのCEOであるSteve Jobs氏の発言に異議を唱えた。この発言は,Jobs氏が開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」の基調講演のなかでのもの。

 Appleは6月11日に,同会議でWindowsに対応した同社の最新ブラウザ「Safari 3」を発表した(関連記事)。Lilly氏のブログ記事が問題として取り上げたのは,Jobs氏がWebブラウザ市場の展望について,Appleが米Microsoftとシェアを二分することを望んでいると受け取れる発言である。

 Jobs氏がまず示した現在のシェアは,MicrosoftのInternet Explorer(IE)が78%,MozillaのFirefoxが15%,Safariが5%,その他2%というものだった。しかしそのグラフは,IEが市場シェアのほぼ4分の3を占め,残りの4分の1をSafariが占めているように変化し,Jobs氏は「われわれは大きな夢を持っている」と述べたという。

 Lilly氏は,「Jobs氏ひいてはAppleの考え方は時代遅れで,世の中の流れに逆行するものであり,本当にそのような極端な寡占状態に向かうとは考えにくい」と反論する。

 ただしLilly氏は,Windows対応Safariそのものを非難する意図はなく,Safariがより多くの人々の選択肢に加わったことについては歓迎するとしている。同氏は「Mozillaが望むのは,Webが人々にとって開かれた公共の資産として維持されていくことだ」と強調した。

[Lilly氏のブログ投稿記事]