日本オラクルは6月18日,企業向けの“マッシュアップ”ソフト「Oracle WebCenter」を発表した。このソフトを使えば,社内外のアプリケーションやサービスを組み合わせたユーザー・インタフェースが容易に作成できるという。どのような機能が備わるかを解説しよう。

 Oracle WebCenterの最もベーシックな機能は,インターネット上で一般に公開されているWebサービスAPIと,Webサービス化した社内システムを組み合わせる(マッシュアップ)というものである。基本的には,WebサービスAPIをWebページの「Portlet(ポータル画面を構成するユーザー・インタフェース部品)」に連携させる。Portletは一つのWebページに複数配置でき,APIを介して連携しているので,それら複数のPortletを連動させられる。WebサービスのインタフェースはSOAPとRESTを,WebページはPortletのほかJSF(JavaServer Faces)をサポートする。

 そのほか,ユーザー・インタフェースに組み込んで使うことが可能な,各種サービスを提供するソフトも同梱する。同梱するソフトは,(1)検索ソフト「Oracle Secure Enterprise Search」,(2)非構造化データの管理ソフト「Oracle Content Database」,(3)プレゼンス/インスタント・メッセージング・ソフト「Oracle Communication & Mobility Server」,(4)米Jive SoftwareからOEM提供された掲示板ソフト「Jive Forum」,(5)Webブラウザで共同編集できるコラボレーション・ソフト「YaWiki」。

 こうした機能やソフトにより,例えば,米Googleの地図情報サービス「Googleマップ」と,社内の販売管理システム,WebCenterに備わる検索/掲示板サービスなどを組み合わせ,販売担当者向けポータル・サイトを作る,といったことが比較的簡単にできるようになる。

 ただ,社内システムがWebサービスのインタフェースを備えていないケースでは,同社のBPELソフト「BPEL Process Manager」などを用いてWebサービス化して使うことを想定している。Oracle WebCenterには,BPEL Process Managerは含まれない。

 Oracle WebCenterは,「Oracle Application Server Enterprise Edition」のオプションとして提供される。1CPU当たり625万円(または,1指定ユーザー当たり12万5000円)で,Windows(32ビット)版とLinux(x86)版は6月19日に出荷する。