三井情報(MKI)は6月15日、アプリケーション・ライフサイクル・マネジメント(ALM)に本格的に参入することを明らかにした。カナダのパッケージ・ベンダーであるMKSのALMソフト「MKS Integrity」の導入を中心に、「IT全般統制の整備支援や、ソフトウエア開発の生産性向上といったコンサルティング・サービスも提供していく」(MKIの土屋哲雄取締役)という。

 ALMは開発、運用保守などシステム構築の工程を管理する考え方。MKS Integrityが対象とするのは、(1)アプリケーションの変更管理、(2)、ソースコードのバージョン管理、(3)テストの工程や手順の管理、(4)リリースの管理、の4つの工程。これらを実行するために、アプリケーションの情報を一元管理するリポジトリと、ワークフローや管理者向けのダッシュボードの構築支援ソフトを用意している。メインフレーム上のアプリケーションとERP(統合基幹業務システム)パッケージなど、異種混合の環境も一元的に管理可能だ。

 システム開発、運用保守に必要な情報を一元管理することで、「プロジェクト全体の生産性が向上する」と土屋取締役は説明する。仕様変更が発生した際にプロジェクトにかかわる担当者が情報を共有する、といったことが可能になる。開発規定や運用手順書などに基づいてプロジェクトが手順通りに進んでいるか、承認プロセスは適正か、などを管理することもできる。「こうした機能はITベンダーだけでなく、日本版SOX法で求められているIT全般統制の整備状況を把握するために役立つ」(土屋取締役)

 MKIはシステム部門の規模が大きいユーザー企業や、ITベンダーを中心にMKS Integrityを販売していく。独SAPや米オラクルのERPパッケージ向けのコネクタも用意している。参考価格は1指名ユーザーで20万円。