サービス例の一つ「プッきゃす」。通信と放送を融合させたものだ
サービス例の一つ「プッきゃす」。通信と放送を融合させたものだ
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多チャンネル版のワンセグ放送は2011年以降に登場するという
多チャンネル版のワンセグ放送は2011年以降に登場するという
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 フジテレビジョンなどが共同で設立したマルチメディア放送企画LLC合同会社(以下、MMBP)は、開発を進めている次世代のワンセグ放送のデモンストレーションを、千葉県幕張市で開催中の(2007年6月11日~15日)の「Interop Tokyo 2007」会場で実施した。2011年以降、地上アナログテレビ放送が使っていた周波数帯域で、サービスを提供することを狙う。

 ワンセグ版多チャンネル放送の方式には、現行の地上デジタル放送やワンセグ放送の規格「ISDB-T」の兄弟規格である「ISDB-Tmm」を採用。ISDB-T同様に国際標準化された規格で、ワンセグと互換性がある。ある周波数帯域を複数に分割し、それぞれの周波数(セグメントと呼ぶ)で個別の番組を放送する。このため、「スカパー!」のように、1社で多チャンネル放送を提供できる。

 デモでは、多チャンネル放送のイメージを伝えるため、2種類のサービスを披露した。その一つ「ナビちゃん」(マルチメディアナビチャンネル)は、EPG(電子番組ガイド)を拡張し、インターネット上のコンテンツも検索できる「ECG(電子コンテンツガイド)」のサービス。画面上部を9分割することで、放送中の全番組を縮小して再生し、視聴者が選択した番組のデータ放送を画面下部に表示する。

 もう一つ「プッきゃす」(プッシュキャスティング)は、通信回線を使うことで、放送に関連したコンテンツをバックグラウンドでダウンロードするサービス。例えば野球中継の番組を放送中、過去の名勝負を収めた映像データやCMで流れた曲データを入手しておき、放送終了後に楽しむといったことを可能にする。決済サービスと連携させることも検討中だ。

 MMBPは、多チャンネル化したワンセグ放送を提供するために、2006年12月に設立された。フジテレビジョンのほか、伊藤忠商事、NTTドコモ、スカイパーフェクト・コミュニケーションズ、ニッポン放送が加わっている。