松下電器産業のデモ風景。多くの来場者が足を止めて熱心に聞いていた
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松下電器産業が出品したのはPLCの規格の1つ「HD-PLC」に対応した試作機。全部で3種類ある
松下電器産業が出品したのはPLCの規格の1つ「HD-PLC」に対応した試作機。全部で3種類ある
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NECはPLCの別規格「HomePlug」に対応した試作機を出品
NECはPLCの別規格「HomePlug」に対応した試作機を出品
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 松下電器産業とNECは、千葉県幕張市で開催中(2007年6月11日~15日)の「Interop Tokyo 2007」で、高速電力線通信(PLC)に対応したアダプターの試作機を展示している。PLC技術にはいくつかの規格があるが、松下電器産業は「HD-PLC」、NECは「HomePlug」に対応した試作機を参考展示。両社は共に、実際の通信環境をブース内に構築し、PLCの有用性を積極的にアピールしている。

 松下電器産業の試作機は「ダイレクトプラグ型」「ACアダプター型」「LANスイッチ内蔵型」の3種類。ダイレクトプラグ型は、直接コンセントに挿すタイプで、電源コードが不要なのが特徴。ACアダプター型は、PLC機能を内蔵したACアダプターで、LAN端子に加え、ルーターやLAN対応機器へ電源を供給する端子も備える。LANスイッチ内蔵型は、4ポートのLAN端子を備え、複数のLAN対応機器をPLCネットワークにつなげられるものだ。

 展示はなかったが、松下電器産業はダイレクトプラグ型の発展系として、無線LANに対応したモデルも開発中だという。PLCの機能を実装したモジュールの小型化も進めており、「近い将来、アダプターは現行機種の半分程度になるはず」(説明員)。同社はPLC対応のアダプターとして、通常タイプのアダプター「BL-PA100」と電源タップ型の「LN3710」の2種類を、既に発売している。

 一方、NECが展示するのは、通常のアダプター型の試作機。同社はPLC機能を内蔵したルーター「AtermCR2500P」とダイレクトプラグ型の「AtermCA2100P 」を2007年7月上旬にも発売する予定。どちらも、松下電器産業が開発し、国内で主流になりつつあるHD-PLC規格に対応した製品だが、試作機として展示したのはHomePlug規格に対応したもの。HomePlugは米インテル、米モトローラ、米リンクシス、シャープ、韓国LG電子らが加盟する業界団体が推進している規格である。NECでは「HD-PLCが必ずしも主流であり続けるかは不透明。別の規格のPLC技術についても対応製品を積極的に開発していきたい」(説明員)としている。