全日本空輸(ANA)は5月末の大規模障害を受けて、システムの増強や改善の対策に2億~3億円の資金を投じる。また、欠航による減収は約4億円であることが分かった。6月13日の会見でANAが明らかにした(関連記事)。合計で約7億円となり、ブランド・イメージの低下とともに、大規模障害の影響の大きさを裏付けた。

 システムについては、問題となったスイッチ間の経路を2重化から4重化に、ゲートウエイ・サーバーの能力増強、スイッチやサーバーにおけるフェイルセーフ機能の実装など全面的に対策を実施する。これを含めて全体で2億~3億円の投資を見込んでいる。

 減収部分の内訳は、5月27日の当日を中心とした旅客の搭乗キャンセルが約4億円だった。このほか、現時点で顧客の利用したタクシーやホテルの代金として4000万~5000万円を拠出している。今後、全国の空港での集計が終わっていないため、額は増える見通しだ。

 なお、ANAは障害を受けて6月13日付けで幹部の処分をした。山元峯生社長が1カ月20%の報酬カット、オペレーション部門統括の大前傑副社長、IT推進室担当の岡田圭介常務取締役、オペレーション統括本部長の中村克己上席執行役員がそれぞれ1カ月10%の報酬カットを実施する。IT推進室長の佐藤透執行役員は社長厳重注意とした。