写真1●緊急地震速報を受け取る「フレッツフォン」
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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は,Interop Tokyo 2007で「緊急地震速報配信サービス」(仮称)のデモンストレーションを実施している。地震が発生したとの想定で,各種端末に速報を配信。端末は「あと15秒で大きな揺れがきます」といったアナウンスやアラーム音で警報を発する。

 展示会場では,5種類の端末に対して緊急地震速報を配信するデモを行っていた。(1)NTT東西地域会社の「フレッツフォン」(写真1),(2)白山工業の「DATAMARK KB-2000T」(写真2),(3)日本3SOFTの「Digital Catfish」(写真3),(4)同社の集合住宅向け端末(写真4),(5)富士通FIPの「AlertStation EQ」(クライアント・ソフト,写真5)である。

 
写真2●インターホンやエレベータ・システムなどと連携するボックス・タイプの白山工業「DATAMARK KB-2000T」
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  写真3●日本3SOFTの「Digital Catfish」。左がイーサネット・インタフェースを持つ親機で右が子機。親機と子機はFM波で結ばれる
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 特に興味深かったのは,受信機と警報機(親機と子機)で構成される(4)の集合住宅向け端末だ。受信機を集合住宅の管理人室などに置く一方で,警報機は各戸に設置。受信機と警報機は,同軸ケーブルを使って接続するという。受信機が緊急地震速報を受信すると,各戸の警報機に情報を転送し,警報機は音声などにより警報を発する。さらに,警報機には親機と子機があり,両機間はFM波を使って情報を転送する。親機はリビングなどに,子機は寝室や子供部屋などに置くことを想定しているという。

 
写真4●日本3SOFTの集合住宅向け端末。下が管理人室などに置く受信機。その上の左側が各戸に置く警報装置の親機で,右側が子機。型番などの表示はなかった
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  写真5●富士通FIPの「AlertStation EQ」(クライアント・ソフト)
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 NTTコムは現在,ハレックス,ヴァル研究所と共同で緊急地震速報のモデル実験を2006年12月4日から提供中。商用化時期について説明員に聞いたところ,「今夏には開始する予定。もう間もなくニュースリリースできるはずだ」と明言した。ただし現在のところ,個人ユーザー向けの情報配信については気象庁が慎重な方針を示しているため,当初は法人向けのサービスになるという。

 なおNTTコムの緊急地震速報配信サービスは,Interop Tokyo 2007の「Best of Show Award」で,ソリューション部門/ネットワークソリューションのグランプリを受賞している。

 緊急地震速報配信サービスは,地震の初期微動(P波)を把握して大きな揺れが来る前に通知するサービス。気象庁が配信する緊急地震速報を基にしている。