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写真1●Safariで動作するSilverlightアプリケーション [画像のクリックで拡大表示] |
統合ツールであるExpression Studioの価格は,通常版が7万8540円で,アップグレード版が4万5990円。ただし,アップグレード対象として無償でWebで公開している「Visual Studio 2005 Express Edition」も含まれているため,ほぼ全てのユーザーがアップグレード版を購入できる。マイクロソフトの市橋暢哉デベロッパービジネス本部長は「Expressionは先行製品を追い抜くことができるか,とよく聞かれるが,その手段の1つが価格設定だ」と,戦略的なディスカウントであることを強調した。
Expressionにはいくつかの側面があるが,現在マイクロソフトが特にプッシュしているのが,「Silverlight(開発コード名:WPF/E)」に対応したアプリケーションの開発ツールとしての側面である。Silverlightは,米Adobe Systemsの「Flash」や「Adobe AIR(開発コード名:Apollo)」に対抗する,Webブラウザ向けのアプリケーション実行環境。「Internet Explorer」や「Firefox」に加えて,Mac OS Xの「Safari」にも対応する。マイクロソフトは今回の発表会でも,マルチブラウザ対応であることをアピールするためにSafariでSilverlightをデモした(写真1)。
Silverlightでは,ユーザー・インターフェースを.NET Framework 3.0の「Windows Presentation Foundation」と同じ「XAML」で,アプリケーション・ロジックをJavaScriptで記述する。今後リリースする「Silverlight 1.1」では,アプリケーション・ロジックをVisual BasicやC#,PythonやRubyなどでも記述できるようにするほか,モバイル・デバイス向けの「Silverlight for Mobile」も提供するとしている。
Silverlightの正式版は,2007年夏にリリースする予定。7月13日に発売するExpression StudioやExpression Blendでも,Silverlightアプリケーションのユーザー・インターフェース(XAML)を簡単に編集できる。
VC1エンコーダを無償提供,Flashの動画配信に対抗
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写真2●Silverlightで強調している用途が「動画配信」 [画像のクリックで拡大表示] |
動画ストリーミング用途として,マイクロソフトは「Expression Studio」や「Expression Media」のユーザーに対して,Windows Media 9をベースにしたコーデック「VC-1」対応のビデオ・エンコーダ「Expression Media Encoder」を無償提供する。Expression Media Encoderを使うと,720pに対応した高精細動画を品質を落とさずに圧縮したり,DRM(デジタル著作権管理技術)を適用したりできる。マイクロソフトは「Silverlightが登場することによって,企業でなければ難しかったHDの動画配信が,より多くのユーザーにとって可能になるだろう」と強調している。
ただし現時点ではSilverlightに未対応
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写真3●Silverlightの開発ができるExpression Blend 2 [画像のクリックで拡大表示] |
単体製品の価格は,Expression Blendが6万5940円,Expression Mediaが3万9690円,すでに販売しているExpression Webが3万9690円,Expression Designの単体版は販売しない。