全日本空輸(ANA)が、5月27日に起こしたシステムトラブルの原因について発表した。本誌既報通り、トラブルの引き金はスイッチの故障。その後“ドミノ倒し”のように、その他のシステムにトラブルが波及した。

 ANAが発表した障害の発生原因は三つだ。一つは、2系統あったスイッチの一つ「A系」スイッチ内の制御回路にあるメモリーが故障したこと。

 もう一つはスイッチのメモリー故障により、A系とB系のスイッチ間における通信断と再接続を15回繰り返し、端末接続系システムである「ATCP」が高負荷状態に陥り、ホスト接続系システムである「ICS」が通信不可能となった。これにより、国内線旅客の予約・発券から搭乗手続きまでを担う基幹システム「able-D」と空港のカウンター端末の間の通信全体が滞留した。

 三つ目の原因として挙げたのが、ICSのプログラム設定ミス。今年5月中旬にICSを動かすUNIXサーバーを更新した際に、人為的なミスがあったことから、今回のスイッチ障害の影響を受け、機能停止と再起動を繰り返した。

 スイッチは、米シスコ製でNECが納入したもの、ネットワーク設計はANAの子会社「ANAコミュニケーションズ」が統括している。ATCPは東芝ソリューションが開発。ICSとable-Dの開発は日本ユニシスが担当している。