写真●P2P技術を応用したIP電話システム用のソフトウエアは,IP電話機「4621SW」と「4610SW」で動作する。写真は4610SW
写真●P2P技術を応用したIP電話システム用のソフトウエアは,IP電話機「4621SW」と「4610SW」で動作する。写真は4610SW
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 日本アバイアがP2P技術を応用したIP電話のシステムを参考出展した。IP電話にP2P技術を使ったソフトウエアを搭載し,IP電話同士で各種の情報をやりとりさせる。これにより,SIPサーバーを使わないIP電話システムを構築できる。

 内線電話表などの各種設定にはパソコンを使う。パソコンのWebブラウザでIP電話のIPアドレスを指定してアクセス。設定を済ませると,IP電話同士で設定情報の授受を開始。約1分程度で設定情報の更新が完了するという。外線やファクシミリと接続できるVoIPゲートウエイも用意する。

 P2P技術によりIP電話同士でメモリーを共有させることも可能。あるIP電話のボイスメール用の記憶領域が足りなくなった場合,ほかのIP電話のメモリーをそのIP電話に供与できる。

 日本アバイアがこのシステムで想定しているのは,20ポート程度の小規模事業所。「参考出展なので価格や導入料金は算出していないが,SIPサーバーを使う従来型のIP電話システムより安価に提供できる。運用管理の手間も抑えられる」(日本アバイアの山崎聡システムエンジニアリング部システムエンジニアリング マネージャー)。

 正式な提供開始時期は未定。「日本の小規模事業所は当社製のIP電話機のような操作感を好まない」といった事情が商用化のネック。今後は日本の電話機メーカーに同システムの採用を持ちかけるなど,継続的に商用化の可能性を探っていくという。