写真1●Interopの展示ブースでSSH新版のデモを見せた
写真1●Interopの展示ブースでSSH新版のデモを見せた
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 SSHコミュニケーションズ・セキュリティは,暗号化通信ミドルウエアの新版「SSH Tectiaバージョン5」を,2007年7月から出荷する。出荷に先駆けて,6月13日から千葉県幕張で開催中の展示会「Interop Tokyo 2007」の会場でデモンストレーションしてみせた。

 SSH(Secure Shell)とは,遠隔ログインやファイル転送,アプリケーション利用など,遠隔地同士のコンピュータ間での通信を暗号化/認証することで情報の漏えいを防ぐミドルウエアである。開発会社はフィンランドSSH Communications Security。前身はUNIXの遠隔コマンドであるrlogin/rsh/rcpのセキュア版として歴史があるが,その後に企業向けの汎用通信ミドルウエアになった。業務アプリケーション・プロトコルをSSHのプロトコルでカプセル化する仕組み。

 新版では,通信プロトコルを改良。従来版と比較してデータ転送速度を200%向上し,メモリー消費量を抑えたという。また,新たに米IBMのメインフレームOSであるz/OS(OS/390の後継に位置する)上で稼働する版を用意した。

 Interopの展示ブースでは,ファイル転送用のFTPクライアント・ソフトからアクセス透過的にSFTP(SSH FTP)に変換してSFTPサーバーと通信するデモを見せていた。従来,SSHは業務アプリケーション・プロトコルをカプセル化する汎用の通信ミドルウエアとしての用途が主だったが,展示ブースの説明員によれば,最近ではファイル転送用途で使われるケースが増えているという。

 価格は,同時接続数を2セッションまでに限定したデスクトップ用途の「SSH Tectia Client」が2万4800円(税別)から。同時接続数に制限が無いサーバー用途の「同Server」が11万8000円(税別)から。クライアント機に対するソフトウエアの配布やインベントリ管理,SSHソフトの稼働状況などを一元管理する運用管理ソフトが248万円(税別)。