社会保険庁は6月12日、年金システムで先週日曜日に障害が発生した問題について、原因はオンライン・システムを制御するミドルウエアの不具合だったと発表した。障害が発生したのは年金オンライン・システムが稼働する9台のメインフレームのうち3台。10日午前8時30分から最長で2時間半、この3台につながる全国23県合計130の社会保険事務所で端末が起動せず、年金の照会業務ができなかった(関連記事)。

 年金オンライン・システムの開発と運用を担当するNTTデータによれば、ミドルウエアの不具合は「01年3月の本稼働以来、潜んでいたもの」(広報)という。このミドルウエアは、各事業所がオンライン・システムを何時から何時まで使うかという情報をテーブルで管理する。しかしテーブル領域が不足すると何らかの理由でミドルウエアが起動しない不具合があった。

 今回、3台のメインフレームでは、金曜日に延長稼働させ土日も連続運転させるというオンラインの最長連続稼働と、処理する事業所数が他の6台より多かったことが重なり、テーブル領域が不足した。その結果、ミドルウエアの不具合が顕在化し、ミドルウエアが立ち上がらなかったため、オンライン・システムを利用できなくなった。障害復旧手順は不明だが、システムは午前10時7分から順次復旧し、午前10時55分に全面復旧した。

 NTTデータは04年7月、社保庁からの休日運転開始の依頼を受けて、休日運転についてのテストを実施したが潜在バグを発見できなかった。NTTデータは、「国民の皆様と関係者の皆様にご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。再発防止に全力を尽くします」と話す。