LogVillage 2.0
LogVillage 2.0
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 蒼天は,監視対象のクライアント機にエージェントを導入しなくても利用可能なクライアント監視ソフトの新版「LogVillage 2.0」を,2007年7月中旬に出荷する。新版では,CPU利用率の監視機能といった,CAD(コンピュータを使ったデザイン)など技術エンジニアリング系顧客向けの機能を強化した。価格は,監視対象50台の最小構成で48万円(税別)から。

 LogVillage 2.0は,エージェントを使わないクライアント監視ソフト。あらかじめWindowsクライアントのコンピュータ名(NetBIOS名)と管理者パスワードの台帳を作っておくことで,リモート・アクセス経由でWindowsクライアントのインベントリ情報を取得する。これにより,アプリケーションの実行履歴やファイル操作履歴,パッチの適用状況などを収集/管理できる。新版では,Windowsに加えて,MacOS Xの監視もsshリモート・ログイン経由で可能になった。

 技術エンジニアニング系の機能強化点は,CADソフトなど個々の業務アプリケーションごとにアプリケーションの稼働率を測定する機能や,CADデータなどファイルの更新度合いを監視する,というもの。背景には,CADなど専門家向けのアプリケーションはライセンスが高価であり,稼働率を高める必要があるという状況がある。

 アプリケーションごと/時間ごとの,CPU使用率,メモリー残量,ディスク残量,ネットワークI/O,ストレージI/Oなどを集計する。ある時間帯ごとに,誰がどのアプリケーションを使い,その時のCPU利用率はどれくらいだったか,平均値との乖離はどれくらいか,といった情報を把握できる。

 また,数年間更新されていない古いファイルをリスト・アップすることで,古いデータを消去してワークステーション環境をクリーンにするといった運用が可能。技術エンジニアリング系の現場では,古くて更新されていない放置ファイルは,多くの場合にセキュリティ上問題となる重要な情報を含んでいるからだ。

 そもそも,エージェントが要らないLogVillageの顧客層は,7~8割が技術エンジニアリング系のユーザーであるという。技術者がエージェントレス型を欲する理由は,エージェントによってクライアント機(ワークステーション)の動作が遅くなるというもの。余計なソフトウエアを稼働させることなく快適に使いたいという需要が高いと言う。今回のバージョン・アップは,こうした技術エンジニアリング系のユーザーの需要を,さらに反映させたものである。

 あるイベントが発生した際にWindowsクライアントの画面に警告ウインドウをポップアップ表示する機能も,今回追加した。警告画面のポップアップはWindowsの標準機能で実現できる。管理者が,情報を収集するだけでなく,クライアント機のユーザーに対して警告する機能を備えることで,クライアント監視の意義や利便性が高まる。

 監視対象となるクライアントOSは,Windows NT 4.0 SP 6a以降。LogVillageの稼働OSは,ログ収集サーバーがWindows XP/Windows Vista/Windows 2000 Server/Windows Server 2003。管理用サーバーがWindows XP Professional/Windows Server 2003。