シマンテックは2007年6月11日、迷惑メールの傾向や新種の攻撃手法などを解説する2007年5月分の「月例スパムレポート」を公開した。これによると、画像を使った迷惑メールは同4月に続いて5月も減少傾向にあるという。

 シマンテックが観測した全世界の電子メールのうち、迷惑メールが占める割合は65%程度で安定している。なお、ここ数カ月の傾向(69%:2007年1月、70%:同2月、65%:同3月、65%:同4月)と比べても、大きな変化は見られない。

 これら迷惑メールのうち、画像を使った迷惑メール(画像スパム)の割合は16%だった。画像スパムとはメール本文にテキストを書かず、伝えたい内容を画像ファイルにしてメールに添付させること。ユーザーが迷惑メールを受け取らないように設定(フィルタリング)していても、これを回避して送り付けるための手法である。2007年1月(52%)をピークに画像スパムの割合は減少しているという。その一方で、URLなどのリンクをメール本文に付けて、Webサイトの特定の画像へ誘導するタイプの迷惑メールが増加したと指摘している。

 詐欺メールやフィッシングメールは増加傾向にある。シマンテックが全世界で観測した迷惑メールのうち13%が詐欺メールやフィッシングメールだったという。特にアジア太平洋地域では詐欺メールの割合が多く、全世界で見ると迷惑メールのうち詐欺メールが9%だったのに対し、アジア太平洋地域で報告された全迷惑メールのうち詐欺メールは17%と、8ポイント多かった。