放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送倫理検証委員会」は2007年6月8日に第2回会合を開催し,TBS系の情報・報道番組「みのもんたの朝ズバッ!」における「不二家報道問題」について審理を行うことを決めた。事実関係を調査するチームを委員会内に設置し,その調査結果を基に7月13日に開く第3回会合から審理を行う予定である。今回の不二家報道問題は,委員会が審理を行う最初の事例になる。

 放送倫理検証委員会は,テレビ番組の内容に関する総務省の新たな行政指導という権力の介入を防ぐために,放送業界の第三者機関であるBPOが立ち上げた組織である。虚偽の内容によって視聴者に著しい誤解を与えた疑いがある番組が放送されたときに,放送倫理上の問題があったかどうかを審理して,その結果を「勧告」や「見解」の形で公表する。必要な場合は,該当する放送事業者に対して再発防止策の提出を求めることができる。

 第2回会合で委員会は,TBSから提出してもらった該当する番組を収録したビデオや同社が番組内で行った訂正放送などを見て検討した。その結果,「虚偽放送の疑いがあることについて委員会メンバー全員の意見が一致したため,審理に入ることを決めた」(川端和治委員長)という。

 なお,不二家報道問題とは,2007年1月22日の「朝ズバ」の中で,不二家の元工場従業員の証言を基に,「賞味期限が切れたチョコレートを回収して牛乳と混ぜ,商品として再出荷する作業を日常的に行っていた」と放送したものである。この元従業員の証言の信頼性などが問題になっている。