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Ubuntu Japanese Teamは2007年4月20日,Linuxディストリビューション「Ubuntu 7.04 日本語ローカライズ版 Desktop CD(以下,Ubuntu 7.04日本語版)」を公開した(写真1)。
UbuntuはThe Ubuntu Foundationが開発・提供するLinuxディストリビューション。このUbuntuをUbuntu Japanese Teamが日本語化などのカスタマイズを行い,日本向けに配布している。ちなみに,Ubuntu 7.04は2007年4月10日(英国時間)にリリースされた。
The Ubuntu Foundationは,Ubuntuをベースに作成した派生ディストリビューションも提供している。統合デスクトップ環境にKDEを利用した「Kubuntu 7.04 Desktop CD」(写真2),XFceを利用した「Xubuntu 7.04 Desktop CD」(写真3),教育向けにカスタマイズされた「Edubuntu」である。
The Ubuntu Foundationはこのほか,サーバー向けのUbuntu Server Editionも提供している。さらに,Kubuntu 7.04については,Ubuntu Japanese Teamによってローカライズ化された「Kubuntu 7.04 日本語ローカライズ版 Desktop CD」が提供されている。
ライブCDからHDDにインストール可能
Ubuntu 7.04は,メディアからLinuxが起動できるライブCD(1CD Linuxとも呼ぶ)の形式を採用している。インストール・メディアをセットして起動すると,ハードウエアが自動認識され,デスクトップ環境が起動する。Webブラウザなどのアプリケーションが用意されており,デスクトップ起動後すぐにインターネットに接続可能だ。
また,デスクトップ上には,ハード・ディスクにUbuntuをインストールするためのインストーラ(のアイコン)が用意されている。Ubuntu 7.04日本語版のインストーラでは,Windowsのバーティション・サイズを縮めてUbuntu用の空きパーティションを確保できる(写真4)。
さらに,インストールされているWindowsで利用しているブックマークやアドレス帳,壁紙,マイ・ドキュメント内のファイルなどをUbuntuに移行することもできる(写真5)。
主要ソフトウエアのバージョン
Ubutun 7.04日本版では,Linuxカーネルにバージョン2.6.20,glibcにバージョン2.5,gccにバージョン4.1.2が採用されている(写真6)。X Window Systemには「X.Org X11 R7.2」,統合デスクトップ環境には「GNOME 2.18.1」が採用されている(写真7)。
パソコンのグラフィックス機能を用いた透過的,立体的なデスクトップを提供する「AIGLX」に対応しており,ウインドウマネージャの「Beryl」を利用した3Dデスクトップも利用可能だ(写真8)。
インターネット関連のアプリケーションには,Webブラウザの「Firefox 2.0.0.3」,メール・クライアントの「Evolution 2.10.1」が標準で導入される(写真9)。
また,オフィス・スイートの「OpenOffice.org 2.2.0」,フォト・レタッチの「GIMP 2.2.13」などが利用できる(写真10)。
日本語版では日本語アプリやプラグインを簡単導入可能
Ubuntu 7.04日本語版では,日本語向けアプリケーションやWebブラウザのプラグインなどを簡単にインストールが行える「日本語セットアップヘルパ」が用意されている(写真11)。Flash PlayerやAdobe Reader,Java Runtime Environment,Sylpheed,Skypeなどがインストールできる。
なお,日経Linux7月号では,日本語セットアップヘルパの使い方などを説明した特別企画「Ubuntu 7.04で快適デスクトップを手に入れよう」を掲載している。